「戦国時代の余談のよだん。」 和田 竜  読み終る | pyonpyon ブログ

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松任谷由実。

商品の詳細   「戦国時代の余談のよだん。」 和田竜 



面白かった!面白かった!面白かった!


この本読んだら、歴史小説に興味がわくと思う




前半は、和田竜が「のぼうの城」や「忍びの国」を執筆するにあたって取材のためにその土地に行った時のエピソードを面白く書いている




取材経費がないから、松坂牛で有名な土地に取材に行ったのに、うらぶれた焼き肉やで何の肉かわからない様な硬い肉を食べた、など





後半は、武将の逸話など(知ってる話もある)




伊賀忍者が仲が悪かった話では、とある祭りで1年ごとに2つの家が主催者を務めていたが、この2つの家が仲が悪い。祭の当日に主催者の主が懐に小刀を抱いて祭にでた。そんな事は知らないもう1つの家の主は主催者でもないのに祭開始の宣言を勝手にしてしまう。小刀を抱いた本来の主催者は、この程度の事で斬りかかり、その後両家は報復を繰り返した、とか

真田幸村が意外にお茶目な性格だったらしく、山伏に扮して大野治長を訪ねたおりに、幸村とは知らずに若侍たちが各々の刀を目利きしていた。「お前の刀を見せてみろ」と小馬鹿にした口を聞いた若侍に「犬を脅す時に使うう様な刀です、お目汚しになりましょうが」などと言い抜いた刀が名刀正宗、驚いた若侍が脇差も見せろと言い見せた脇差が正宗の息子の貞宗の作の名刀。治長が帰宅し、山伏を見て両手をついてかしこまり挨拶をする姿を見て幸村だと気付く若侍。後日、城中で若侍を見かけた幸村が「刀の目利きは上達しましたか?」と言ったとか




幸村はかっこいいイメージがあるが、大阪夏の陣で松平忠直(家康の孫)の家臣に討たれた幸村を気付かずに鼻を削ごうとした家臣に、通りかかった叔父である真田信尹(徳川方についていた)が特徴的な兜に気付き「その首は甥のものだ」と言い、その際に「甥の首ならば前歯が2本抜けている」と言い、口を開けてみると、そうだった。冗談好きの幸村らしい顔だったという話





和田竜は、司馬遼太郎のファンらしく、司馬遼の作品を真似て「余談」という言葉を使った題名にしたのだそうです




私も大好きな司馬遼太郎の小説「関ヶ原」に載っている話で大谷吉継と石田三成の話が、実はそんな話は無いって事がわかった話など、私もこのエピソードがあるから三成を嫌いになれなかったので、ちょいガッカリ




その話・・秀吉が亡くなった後、家臣達で茶会が催された。当時は茶席にいる客達が1つの抹茶を回して飲むという事が行われていて、その茶席でも抹茶茶碗が回っていた。大谷吉継は、既にらい病を発症していて顔の皮膚が爛れて膿が出ていた。その膿が抹茶に垂れたのを見て、他の武将たちは大谷吉継の後に回された抹茶を飲むのを嫌い口をつけただけで、次に回すという状態になった。大谷吉継と仲の良かった石田三成は(この小説の中の三成は実直で生真面目)この行為が許せず、自分の番になったら抹茶を飲みほした、と言う話



確か、この時「太閤殿下の喪中だ」と一人、黒装束で出席したんじゃなかったかな



いろんな小説で悪者に書かれている石田三成だけど、この「関ヶ原」の三成の書き方が一番好き

司馬遼太郎も三成という武将の事、好きだったんじゃないかな?とても良く書かれている




「関ヶ原」に出てくる島左近も、いいんだよね~


また、読みたくなっちゃったな~



買おうかな