MEG & PIANO KOJI 新作レコーディング(10/11/2004)
~ニッポン・ゴスペルの新たなる夜明け~
 

 粟野めぐみ&貢司(Meg & Piano Koji)夫妻と言えば、T.V.O.P.のリーダーとしては勿論、、"Stand" Womens MinistryやJapan Gospel Choirs Fellowship(以下JGCF)といった数々のビッグ・イベントを主宰、今や日本ゴスペル界全体を牽引するリーダーの中のリーダーと言っても過言ではないでしょう。そのおふたりが、『Come On Everybody』(2002/4/30発売)以来のレコーディング・プロジェクトを開始しました。

 と言う噂は以前から聞いていたものの、私がその全容を目の当たりに出来たのは、今を遡る事3ヶ月前、7月10日に東新宿の純福音東京教会4階の大聖殿で行われたコンサートGOSPEL FESTIVAL!生きているものよ!叫べ!に於いてでした。そこでMeg & Kojiによる全曲日本語のオリジナル楽曲群と共に「Meg & Koji & New Vision」が初めて一般にお披露目された訳です。

 

7/10 Meg & Koji & New Vision
at 純福音東京教会
叫べ、クワイアー!
全身で賛美を示すメグさん!
これも貴重?メグさん入りJoyful Noise Singers

 

 そこで歌われた曲は、その日の証人のひとりであった私にとっても初めてのものが殆どでしたが、会場で一緒になったクリスタル・ビーズのメンバーなども、「心が震えた…」という感想が漏れるほどの圧倒的な出来映えでした。考えてみれば当たり前かもしれません。私の知っている範囲では、集められたメンバーは基本的にクワイアーのリーダー、乃至はディレクターであったからで、音楽的なセンスはひとつ上のレベルであったからです。日本中から集まった多忙なリーダーばかりですから、当日になってやっと初めて全員揃っての音合わせが出来た、という慌しさだったそうですが、それをものともしない出来で、声も出まくっていました。日本の各地で活躍するリーダーを終結させて作品を作り上げる…「なるほど、これがNew Vision(新しい方向性)なのか!将来を見据えても、これは強力なプロジェクトだなあ!」と感心し、その先にあるものへの期待が早くも高まりました。

 私は自分のアメリカでの体験を通じ、ブラック・ゴスペルの楽しさや奥深さ、その自由さと喜びを日本でも伝えられれば、というのが活動エネルギーの源だったりするので、「日本人による日本語のゴスペル」というものに目を向けた事は余りありませんでした。時に聞くそのようなものが非常に保守的で、歌い方や演奏も、どちらかと言えば引いてしまうようなものが多かったのです…「なんか暗いなあ。どこに賛美の喜びが表されているのだろう?」みたいな。そういった意味でもメグさんとコージさんの今回の作品群は非常に画期的でした。

 何故なら、その日本語によるメッセージはストレートに心へ飛び込むように力強く、詩的に完成され、更に日本人の情緒に訴えかけるような深い叙情性にも満ちていたからです。そして、楽曲は、時にどこか童謡に通じるようなシンプルで懐かしいメロディーを奏でつつ、賛美の喜び、神の偉大さ、大いなる感謝が満ち溢れていました。だからこそ、私も「日本人による、日本人の為の、日本語でのゴスペル」、と私は呼ぶことが出来たのです(もっとも、「日本語によるゴスペル」へのMeg & Kojiさんの取り組みは少なくとも2年ほど前から作品として結実されつつあった訳ですが)。

 実はその時、もうひとつ気付いたのが「クワイアー・メンバーが全員女性だ」と言う点でもありました。音的にはそんなことは感じられないほどの迫力でしたが、個人的には(男性)テナーの魅力がブラック・ゴスペル・クワイアー・サウンドの基盤と思う私にはちょっと寂しく思えたものの、レコーディングも滞りなく進んでいると言う話も聞いていて、兎に角、私としては「早く出来上がった作品を聴いてみたいなあ。」と心待ちの気分でした。

 まあ、つまりほぼ他人事だったのですが…。

 9月16日の木曜日、例によってクリスタル・ビーズでの練習を終え、時間のあるメンバーとランチを食べようと新宿へ向かって信号待ちしている途中に、背後からメグさんが追いかけてきて、「古澤さん、10/11って空いてる?」と聞かれたのです。「えーと、友達の結婚式で歌う事になってるんですけど…」と言うと、「実はレコーディングがあるんだけど、良かったら参加してくれない?」「え、私ですか?うーん、じゃあ、ちょっと予定を調整してから連絡します…」とだけ答えて別れたのでした。これは時間にしてホンの十数秒。

 即答出来なかったのは、その10/11に予定されている結婚式は、古くからのアッコズ・ファミリーのメンバーのもので、しかも、式は、私も毎月参加するアッコ(西村あきこ)さんのワークショップ会場、福生べテル教会で行われる事になっており、私も牧師先生などにお世話になってきている事もあって是非参加するつもりでいたからなのでした。

 でも、家に帰って考えました。ちょっと待てよ…あの「永遠の主」のレコーディングでしょ?…オークランドでも心の限り叫んだ名曲じゃないか!それに参加できるなんて、こりゃまた、これ以上に無い光栄な事ではないのか?うーん、でも確かレコーディングは既に行ってる筈だし、私が見たNew Visonは女性ばかりだった筈だし、テナーなんてTVOPその他に一杯居る筈だし…なんて堂々巡りするような疑問が頭の中をちょっとだけ過ぎったものの、どんな理由であれ、この機会を逃すなんてやはりあり得ない…との結論に至りました。で、翌日、早々にメグさんに、「私で良ければ是非、参加させてください。」とメールを打ったのでした。

 で、それから私にとっては全くの新曲となる「聖なる主よ」を学ぶ為、亀有と多摩ラブでのリハーサルにも参加。で、またビックリ…。この新曲、「聖なる主よ」が余りにも壮大で、しかも新しいタイプの曲であったからです。「おおー!これこそ、“新しい歌”ではないか!これも歌えるんだ~!」そう思うと、わが身の幸運を神に感謝せざるを得ませんでした。

 

 そんな訳で約1ヶ月が過ぎ、この当日、10月11日がやってきたのです。あいにくと、晴天と言う訳には行きませんでしたが、いそいそとレコーディング会場となる主都福音キリスト教会がある百合ヶ丘へ向かったのでした。

 

会場となった主都福音キリスト教会。
天気はイマイチでしたね…。
コージさん、只今、セットアップ中です! テナー用のマイク。これに8人がぶら下がって?歌った訳である。うむ。

会場へはほぼ11時に着きました。全体の集合時間は12時だったのですが、「男性陣でわれと思う方は11時に」とあったので、肉体的には微力ですけど、なんか役に立つかも、と思って早目に伺いました。すると、案の定?8人の男性メンバーは全員、来ていました。決して大きな教会ではありませんでしたが、とても良い雰囲気で、前作「Come On Everybody」もこちらで録音されたと聞き、他の多くのメンバーにとっては御馴染みなのかな?と思ったりもしましたね。

 ますは、コージさんの指示で録音機材のセットアップです。みると機材は全て持ち込みのようです。凄いなあ…。椅子を後に下げて空けられたスペースを使います。そして各パートにひとつずつ、といった形で大きなマイクが置かれました。会場は石造り風で、音も結構、グワァ~ンと響く感じでしたね。

 12時頃になると女性陣もたくさん集まってきました。私達も、早速、着替えに入り、録音に備えます。

 最終的な連絡によれば、4曲の録音が予定されていました。「Joy」「聖なる主よ」「永遠の主」「Jesus Christ」です。「聖なる主よ」は、レコーディングに参加する事が決まってから知った曲でしたが、他の曲は、9/23のJGCFを含め、初めて聞いた7月以降にあちこちで歌う機会を与えられていて、各曲に対する思い入れも大きく育っていました。そして、最終的にレコーディング当日に集まったのは、総勢45名。うち、テナーは男性8名でした。
 
 今回の新しいCDタイトルは、『Joy』が一番候補だそうです。やはり、賛美する喜びをシンプルに表したタイトルになったようですね(JGCf4の際に配布されたチラシには『アドナイ・エレ』が仮題として記されていましたが、変更されるようです?)。

 その「Joy」という曲を歌う時、私は「これこそ讃美だ!」という思いが湧き上がって来ます。「いつも喜びを胸に 絶えず祈り 感謝を歌おう」「どんな時でも感謝が出来るように 賛美し続ける」…テサロニケ人への第一の手紙にある有名な御言葉をモチーフにしていますが、讃美への姿勢を音楽で表現した見事な作品となっています。また、この歌詞はメグさんから紹介された素晴らしい『讃美の力』(マーリン・キャロザース著)をいつも思い起こさせます。私にとっては、正にあの『讃美の力』の音楽版がこの曲です。そして、私達の今日のレコーディングは、まさにこの曲から始まる事になるのでした。

 まずはひとりひとり出欠の確認をした後(CDへのクレジット記載もあり漢字名も各自チェックしたのです)、全員でこのレコーディング・セッションが祝福される事を祈りると、その「Joy」の録音を開始。例の「Joy Joy Joy Joy」のパート別連呼?も何度かの練習の成果で上手く終了し、本当に喜びをもって、心地良く賛美をする事が出来ました。

 

 

綺麗な衣装に着替えて、只今、出欠の確認中なのです。
「永遠の主」の韓国語ヴァージョンの為、会場で打ち合わせしているメグさん。皆さんはまったり?休憩中。 会場の外で待ってるのは、今はMeg & Kojiふたりだけのフォト・セッションが礼拝堂の中で行われているからなのです。

1度、コージさんがテナーにやって来て、「声が下がってる、もっと上から出して。鼻から上で声を支えて!」といった指示も出されました。流石に今日集まったメンバーで喉で苦しそうに歌うタイプの人は少なかったと思いますが、私たち日本人は日本語の発音の悪影響で、意識しないと、どうしても音が暗くこもり気味になってしまうのですね。結果、その音に下から辿りつくような感じになってしまって…。ひたすら元気に気持ちよく歌っていた私は「げ、俺が下がってんのかも知れん?」と不安に(なので、余り偉そうな事は言える立場じゃないのですが…)。でも、録音終了後、「多少音がぶれてても構わない。テナーはその喜びは出てるよな」とコメント頂き、密かに?「うむ、まあ、喜んで歌う方はOKですよん。」なんて思ったりして。そんな楽観主義の私ですが、「でも、今後はいつも以上に他の人の声を聞きつつ歌わないと…」と心の帯を締め直した次第です。でも、大丈夫だったかなあ…?

 更に、「今日は録音だから歌いながら泣いてしまうような事は避けないと…」というのも結構、考えましたね。普段なら、これだけのメンバーと雰囲気で賛美したら、まず、途中から歌えなくなる事必至、というか、歌をそっちのけでホーリー・ゴーストに嵌ってしまう事が簡単に想像できたので、気持ちを込めつつもなんとかドライに持って行こうと必死でした…。

 レコーディングは、所謂、一発録りの世界でした。流石に45名もいると何回やっても(恐らく)どこかで誰かが間違ってしまうに違いありませんし、回数を増やせば上手くなる、って状況でもないでしょう。それを際限なく取り直し、皆が消耗してしまうよりは、完全でなくても良いからスピリチュアルな流れと勢いを生かして録ろう、という感じであったと思います。勿論、今日一日で終らせなくてはならない、という時間的な制約も考えての事だと思いますが、基本的に各曲とも録り直しても2回程度で進行して行ったのでした。

 そして、ここでCDジャケット用の撮影が入りました。みなが中心に寄って行って撮影する形ですね。男性テナー陣は元々真中ですから、写真でも自然と中央を占めることになりました。いいのかなー?で、遠慮がち(というか嫌がってたのかも知れませんが)のコージさんを中央に引っ張り出すと、メグさんにも並んでもらい、全体撮影開始。その後、皆で手を掲げたり、笑ってみたり、真面目な顔で撮ったりとまあ、面白かったですね!

 で、私達の撮影が終ると、今度は20分程度、Meg & Kojiさんだけのフォト・セッションに入りました。その間を使って、皆、楽な格好に着替えて録音に備える事に。今回、撮影には「出来るだけ着飾って」と言われていただけに、その格好のままで長丁場のセッションを乗り切るのは辛いですもんね。中にはコンビニに軽食を買いに行く人もいましたね。ちょっとした休憩タイムになりました。

 Meg & Kojiさんの撮影が終ると私達の休憩も終了です。

 続いては、「聖なる主よ」の録音です。前述のように新しいニッポン・ゴスペルと言える壮大さと聖さを持った曲で、録音も大いに盛り上がりました。早く作品となったものを聴きたいですね!

 そして、「永遠の主」です。今回、この曲は韓国語ヴァージョンもぶっつけで歌う旨の事前通達がありました。まずは、日本語ヴァージョンを録り終えると、(聞き間違っていたらすいません!)イム・イジョンさんという以前はこちらの教会におられたそうですが、今は独立して別の教会をされておられる韓国人のシンガーであり、クワイアー・ディレクターでもある方の指導が入ることに。韓国語の歌詞は、今はロサンゼルス在住のソンウォンさんが書きましたが、イムさんがこの曲を聴くのは初めてとの事で、その歌詞のチェックも含めて歌唱指導をお願いする事になりました。

 で、この方、歌も素晴らしく上手くて、篤さんとかは「彼女がソロを取るのに3千点!」なんて言ってましたよね。初めての本格的な韓国語で、何回やっても結構厳しいチェックが入ります。「ハレルヤ」の発音すら英語や日本語とは微妙に、しかし確かに違う(なんか、「ハッレッルーウーヤー」で、「レ」はより舌を歯に付けて強調し、「ル(ウー)」や「ヤ(アー)」の後の母音をキチンと聞かせる、みたいな)、といったような指摘が続き、僕も「うーん、言葉が韓国の方に通じなかったら意味が無いのでソロに合わせて私達がコーラスをつける形にするのもありかね?」なんて思ったりもしましたが、勿論?そんな事にはならず、30分近くの練習の後の数回の録音で終了。もう少し?直したげなイムさんでしたが、コージさんの「初めての試みだからこの位で十分だよ」のお話で録音は終了。これも素晴らしい経験になりましたね!

 そして最後は、「Jesus Christ」でした。元々クリスマス用に作られたものに多少、手を加えたそうですが、これも壮大な曲で、今日の最後を飾るに相応しい感動的な曲です(メグさん達も、これを最後に録ろうと決めていたようでした)。「しょっぱなは“主よ、あなたに捧げます、という気持ちを込めて…決して地声で一本調子だったり、或いはがなって歌う箇所ではないですね…でも、ホワーっと聞こえてしまうとそれも違うので、キッチリ歌ってね”」最後の曲という事で改めてパート毎に手をつなぎ祈り、この曲を歌い上げたのでした。

 前回のレコーディング・セッション(今回は2回目のセッションで、1回目は女性だけで行われていた)が8時頃までやっていた、という話を聞いていたので、今日も遅くなる覚悟でいましたが、ほぼ定刻である6時過ぎには無事、終了。最後に、メグさんの祈りをもって全ては終了したのでした。予定通りとは言え、6時間近く歌っていた訳ですから疲労してない筈は無いのですが、役目を終えた充実感に満たされて会場を後にしたのでした。

 発売予定が11月20日という情報なので、本当にもう直ぐ作品として完成してしまうのだと思うと驚きですが、素晴らしい楽曲揃いで、ここから新たなるニッポン・ゴスペルの歴史が始まるだろう、という期待に、また、そのようなプロジェクトに端役ではあれ関れたという喜びに胸が一杯になったのでした…。

 (最後になりますが、私はこのプロジェクトについては、最後の最後になってやっと?参加させて頂いた身なので、恐らく知らないことも多く、事実誤認等が含まれる可能性もあります。関係者各位の皆様で、不備や不適切な表現等に気付かれましたら、すいませんが私まで連絡下さい。可能な限りの対応をさせて頂きます。)

 

仕切り直し中のひとコマ 何故か私が撮ったアルト+コージさんの面々
正に仮題、幻のタイトルとなるか?(笑)
今となってはマニア必携のチラシかも??? (んなアホな…)