水平線が
空と海の境界を
かすかに滲ませる午後。

鳴り止まない都会のノイズ、
その残響を振り払うように、
青い余白を見つめていた。

海は
ただ深く、ただ広く、
そこにある。


立ち上がる足元に
小さく、
確かな波がひとつ。

逃げ場のない冷たさが
まっすぐに突き刺さる。

それでも、
満ちてくる潮のなかに
震える足を、
深く浸していく。


靴跡を波が消していく。

歩いてきたことまで
消えるわけではない。

疲れた心だけ
波に預けて。


心象スケッチ(心の風景の写生)
内省的エッセイ