電車に乗った時の話です。
座席は少し空いている程度で、
車両内で立っているのは私一人でした。


​私は開かない方のドアに寄りかかって
立っていました。
すると、次の駅で一人の男性が乗ってきて、
なぜか私の方へ歩いてくると、
目の前にピタリと立ってきたのです。

すぐ目の前にはその男性、
すぐ後ろは電車のドア。
見事に挟まれた形になりました。

しかも相手の背中が私の体に
触れるか触れないかという、
かなり近い距離です。
相手の頭が私の顔に当たりそうなほどでした。


車内が混雑しているなら分かります。
でも、立っているのは私一人だけ。
立つ場所は他にいくらでもあるのに、
わざわざ私の目の前に立つなんて……。


「それとも、私の存在に気づいていない?」


そう思って、ちょっと声をかけようかと
思ったその時でした。

電車が揺れて、目の前の男性が
私の足をグイッと踏んできたのです。
男性は振り返り、
「I'm sorry(アイムソーリー)」
と言ってきた。

日本の方ではないんかい!

足を踏まれた後も、
男性は私のすぐ目の前に
ピタリと立ったまま。
なんだかまた踏まれそうな気配。

しかも「アイムソーリー」ということは、
日本語は分からなそう。
英語が得意ではない私には、
注意する言葉が思い浮かばない……。


​仕方なく、私が別の場所に
移動することにしました。
う~む、なんだかなぁ。
ちょっと可笑しな電車のひとコマでした。