ハミングバード (HUMMINGBIRD)
監督:スティーヴン・ナイト
出演:ジェイソン・ステイサム、アガタ・ブゼク、ヴィッキー・マクルア、ベネディクト・ウォン、ジャー・ライアン
ヴィクトリア・ビュイック
<あらすじ>
ロンドンの暗黒街で絶望のどん底を這う男、
ジョゼフ・スミス(ジェイソン・ステイサム)。かつては特殊部隊を率いる軍曹だったが、そこで犯した罪から逃れるため、家族や社会からも距離を置き、息をひそめて暮らしていた。
ある日、唯一心を通わせた少女が拉致されたことで、
ジョセフの人生が大きく動き出す。彼女を救うために他人になりすまし、裏社会でのし上がっていく
ジョゼフ。しかし、少女の残酷な運命を知ったとき、彼の怒りは決壊、復讐の炎と化す。過去に犯した罪、そして自らの人生にも決着をつけるため、
ジョゼフが最後に下した決断とは・・・。
<キャッチコピー>
二度目の復讐は、正義か、罪か。
<マメ知識>
○
「イースタン・プロミス」「堕天使のパスポート」の脚本で絶賛されたスティーヴン・ナイトの初監督作品です。
○ハミングバードとはハチドリの事ですが、ここでは、無人偵察機の事をさしています。
○
ステイサムは、撮影前から監督の取材に同行し、4人の元軍人からインスピレーションを受けて
ジョセフのキャラクター像を作り上げたとのことです。
<感想>
私が愛してやまない、世界中の禿の憧れの存在でもある
ステイサム様の新作ぅ~ッ☆その試写会に参加する幸運に巡り合うことが出来てラッキー☆☆☆
◎今までとは一味違う。
○ステイサム様の代名詞と言えるのは ―
キレのあるリアルなアクション。その華麗且つ、武骨なアクションは観ていて痺れまくりますがぁ~。
今回のアクションは、あくまでもストーリーを盛り上げるための物であり、アクションありきの作品ではアリマセン。
人間ドラマがメイン!!!
◎展開される人間ドラマ。
○ジョセフは ―
過去にアフガニスタンの市街戦で
仲間を5人殺されたことへの復讐の為に
民間人を5人殺した罪(無人偵察機(ハミングバード)により、露見)で軍法会議にかけられる所、収容されていた病院から逃走。
ホームレスとなって、街の底辺で身を潜め、
日々、フラッシュバックに悩まされ、その罪の意識から逃れるためにアルコールを手放せない状態・・・。
社会、家族、そして監視の目を逃れ、正に人生からドロップアウトし、謂わば壊われた人間。
そんな
ジョセフと、ホームレス仲間で一緒に暮らしていた少女
イザベル(ヴィクトリア・ビュイック)が行方不明にに・・・(マフィアの下っ端に追われ、逸れた)。
イザベルは、身を売ることになり、虐殺される
(暴力的性嗜好の金融マン)・・・。そして
ジョセフは復讐の鬼と化す!のですが、
この復讐劇の最大の動機となるイザベルと、ジョセフの絆が如何ほどの物だったのか?が十分に描かれてないのが残念な感じ。
○ジョセフは、イザベルを殺した犯人を捜すために ―
ホームレス生活をやめて、高級ロフトに潜りこみ他人になりすまして生活
(余りのご都合主義的てな展開ッス(笑)でも、気にしない、気にしない)。
ホームレスを支援していた
シスター・クリスティナ(アガタ・ブゼク)から情報を得ることによって、徐々に交流を深めていきます。
この、クリスティーナとの交流がポイント!
クリスティーナは、
ジョセフに
「良い人になって欲しい。生まれ変わって欲しい」と願っていますが、そんな
クリスティーナも決して清く正しい修道女ではない?
人並みな欲望も葛藤もあるのです。更には、拭い去れない幼少時代のトラウマも。
そのトラウマとは ―
親の意向によって通わされた(クリスティーナはバレーをやりたかった)体操教室の先生に性的虐待を受け、ある日、殺した事実。
その為に、法的に罪には問われなかったが、修道院に入れらてシスターとしての人生を歩むしかない現実。
クリスティーナも
ジョセフと同じく、
人生をドロップアウトされられ壊れた人間。
そんな壊れた自己の破片を集めて再構成する為にも ― クリスティーナはジョセフに更生を望み、「良い人になりたい、生まれ変わりたい」というクリスティーナ自身の願望をジョセフに投影させる事で、自分自身を再生させようとしていたのでしょう。
◎恋愛ドラマも・・・。
○拭い去れない過去の罪を背負った二人が ―
恋に落ちるのは、定石とも言える展開ですね(この住む世界の全く異なる二人が接近していく過程の描かれ方ももう少し丁寧でも良かったかなぁ~。)♪
ジョセフは、ホームレス生活を返上し
イザベルの仇を取る為に、ダンディーな姿になりますが ― 情報を得る為、そして、金を得る為には裏稼業しかない・・・。
裏社会でしかい生きていけない。
クリスティーナは、そんな
ジョセフと交流していく中で心を開き、
修道女としてではない自分をジョセフには見せることが出来るのです。
ジョセフの贈った赤いドレスを着て、酒を飲んで、バレーの舞台観賞を誘う ―
シスターの時とのギャップが何とも言えません。
シスター・クリスティナを演じるアガタ・ブゼクは、飛びっきりの美女という訳ではありませんが、劇中でドンドン魅力的に見えてきました。
◎人生の決着のつけ方は?
○決して交わることのない二人の人生。
ジョセフは、当初の目的でもあった、復讐を貫徹。
また、家族為に金を工面し、子ども為に写真を残し、再びホームレスに・・・。そして
クリスティーナは、アフリカへ・・・。
ジョセフは、自分は殺人マシーンであり素面でいるとまっとうには生きられず、故に社会の底辺で身を隠すことを選び・・・
クリスティーナは、シスターとしての生きることを心に決めてアフリカへ。
背負った罪を償い人生を再生させるのではなく、その罪を背負ったまま生きるコトになるのです・・・。
イギリス社会の格差を垣間見ると共に、罪を背負って生きることの悲しさ、切なさを描いた重厚な作品に仕上がっていました。罪、正義、悪について考えさせられます。
ステイサム様の
従来のアクションを期待していると、期待外れに終わる可能性もありますが ―
人間ドラマとしては描写の甘い部分はあるものの、十分及第点をとれる作品です。
伏線の張り方も中々のもの。シーンを際立たせる手腕に監督の凄さが感じられます。
更には、今までにない
ステイサム様の魅力 ―
繊細な演技に魅了される事、確実です!善悪を併せ持ち、過去のトラウマに苛まれ、苦悩する人間を見事に体現していました。
また、ヒロイン役の
アガタ・ブゼクもGOOD☆
存在感は決してステイサム様に負けていなく、シッカリとステイサム様の演技を受けとめた上で、クリスティーナの人間性を表現していました。
罪、正義、悪について考えたい貴方。
重厚な人間ドラマがお好きな貴方。
今までとは違ったステイサム様を拝みたい貴方。
社会風刺の効いた作品のお好きな貴方。
お勧めです。
<最後に>
オープニングで、ロン毛のステイサム様を見れま~す。
もう、公開中です。