レスラー (The Wrestler)
監督:ダーレン・アロノフスキー(ファウンテン 永遠につづく愛)
出演:ミッキー・ローク(シン・シティー)、マリサ・トメイ(いとこのビニー)
エヴァン・レイチェル・ウッド(ダウン・イン・ザ・バレー)
マーク・マーゴリス(ファウンテン 永遠につづく愛)、トッド・バリー、ワス・スティーヴンス
ジュダ・フリードランダー(アメリカン・スプレンダー)、アーネスト・ミラー
ディラン・サマーズ
<あらすじ>
人気レスラーだったランディ(ミッキー・ローク)は、スーパーでアルバイトをしながら、かろうじてプロレスを続けていたが、ある日長年のステロイド使用が 祟り、心臓発作を起こしてしまう。病院のベッドで目覚めたランディは、医者に「命が惜しければリングには立つな」リングに立つことを禁じられる。
妻とは離婚し、一人娘のステファニー(エヴァ ン・レイチェル・ウッド)とも疎遠で、ひとりになってしまったランディ。せめて娘との関係だけは修復しようとするが、冷たくあしらわれ、さらに好意をもっ ていた顔なじみのストリッパー・キャシディ(マリサ・トメイ)にも振られてしまう…。
<受賞歴2008年>
○ヴェネツィア国際映画祭:金獅子賞
○ゴールデングローブ賞:主演男優賞 (ドラマ部門)、歌曲賞
○英国アカデミー賞:主演男優賞
○インディペンデント・スピリット賞:作品賞、主演男優賞、 撮影賞
○放送映画批評家協会賞:歌曲賞
*その他も含めると計54の賞を獲得しています。
<マメ知識>
○当初、制作会社はこの映画の主演にニコラス・ケイジを起用しようとしていましたが、監督のダーレン・アロノフスキーはミッキー・ロークを主演に据えることを強硬に主張し譲りませんでした。その影響で制作費は数億円にまで削られ、公開日に封切りした映画館はたった4館。
○ミッキー・ロークのギャラはゼロ(?)との噂(監督に惚れこんだので)までありましたが、最低限のギャラは貰ったとインタビューで答えています。
○主題歌の“The Wrestler”はブルース・スプリングスティーンがこの映画のために書き下ろしたモノです。ミッキー・ロークが、ブルース・スプリングスティーンに直接、手紙を書いて頼んだそうです。
○56歳のミッキー・ロークは3ヶ月間のトレーニングで、ビルド・アップされた肉体とプロレスの技を習得。
<感想など>
観よう、観ようと思って、ようやく観にいけました。
ミッキー・ローク・・・
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」を観て以来、彼に魅せられ追いかけていましたが・・・
何を思ったのかボクシングに注力(やりたかったから?)、伝説の「猫パンチ」を残しその後は、鳴かず飛ばず ―
一気にスターの座から転がり落ちました。
その後は暗黒時代が ―
「シン・シティー」で強烈な印象を残しましたが、この「レスラー」で完全復活か?
となれば、観なくてはいけません。
ねばならない
のです。
主人公ランディーのかつての栄光と、現在おかれている現状の強烈なコントラストを映し出すオープニングは秀逸です。
その現状とはいかなるモノなのでしょうか?
地方の場末の体育館。
人がほとんど来ないサイン会。
トレーラーハウスでの生活。
老眼鏡と補聴器。
アルバイト。
孤独。
それでも、プロレレスを続ける・・・
プロレスという虚構の世界でしか生きていけない、男の人生の悲哀。
まるで、栄光から転がり落ちたミッキー・ローク本人を見ているようです。
ランディーとミッキー・ロークがシンクロして観る者に迫ってきます。
これが、当初予定されていた、ニコラス・ケイジだったらどうなったのかな~?
絶対に、心に迫ってくる事は無いでしょうね。
ショー・ビジネスとしてプロレスの舞台裏も数多く見せています。
試合前の打ち合わせ。
増強剤談義。
常にお互いをリスペクトし、称えあう精神。
知らない人にとっては新鮮で驚きの場面だったと思います。
日本だったらタブー視されている面もありますからね。
ちなみに、ロッカールームでの会話に関しては、台本はなく、全てアドリブ(?)らしいです。
ある日、使用して来た筋肉増強剤のためのランディーは心臓発作で、試合後倒れます。
そして、医者に
「二度とリングには上がらないように」
と宣告され、
自分の「死」を強烈に意識した時の孤独感と焦燥感。
どうして良いか分からず ―
密かに想いを寄せていたストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)に会いに行き、
疎遠だった娘ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とコンタクトをとるように提案されます。
ランディーには、頼れる相手が居ないのです。
彼にとっては、プロレスが全てだったから・・・。
限界を感じたランディーは引退を決意し、アルバイト先でのフルタイムでの仕事も始め、ステファニーとの関係の修復に努力する ―
ステファニーと会い、
「さびしくて仕方がない」
と涙をこぼすランディー。
しかし、全ては身から出た錆び。
「自分が頼りたくなった時だけ、頼りに来ないで!」
というステファニーの叫び。
最低の男と思われても仕方ない、それまでの家族との関係を浮き彫りにしています。
娘との関係も改善の兆しも見え、バイト先での仕事にも慣れてきても何かが違う。
自分の居場所では無い。
自ら招いた失態で、再び全てを失ってしまうランディー。
プロレスしか知らず、リングの中でのみヒーローであり続け、輝ける。
それがどんな場所であろうとも・・・
そんな男、ランディーに残っている帰る場所は ―
プロレス
それしか無かったのです。
そして、ランディーは再びリングに上がり ―
栄光の時代の再戦に臨みます。
技を繰り出し、痛む胸を押さえてトップロープに上ったランディーの頭に去来したモノは?
そこから、ランディーは往年の必殺技を繰り出しジャンプ・・・・
跳んだ先に・・・・
自分には「これしかないのだ」という男の矜持。
そして、希望。
を見たような気がしました。
ミッキー・ロークの役作り ― この役に欠ける役者魂が凄い!!!
見事にビルド・アップされた肉体。
一緒に演じている本職のレスラーと比べても遜色ありません。
また、プロレスの大技の数々を披露してくれます。
そして、身体全体から香り立つ、悲哀。
これは、奈落の底から復活した、彼にしか出せない味です。
完璧です!!!
ストリッパー役のマリサ・トメイの演技も素晴らしい。
身体を張る仕事をそしている者同士しか、分からない哀しさ―
ランディーを一度は拒絶しますが、支えようと戻ってくる・・・
再戦のリングに向かう、ランディーを止めつつも、送りだす表情などは深く心に沁み込みます。
ミッキー・ロークファンの貴方。
プロレス好きの貴方。
何か、一つの事を信じ抜く凄さを知りたい貴方。
男の哀愁を感じ、退廃の美学を体感したい貴方。
お勧めです。
<最後に>
試合のシーンは本物以上(?)の迫力と痛さが画面から伝わってきます。
当然、流血シーンには事欠きません。
また、試合後のロッカールームでの怪我の処置の場面もエグイです。
その手の映像が苦手な人には、ちとキツイかも知れません。
<おまけ>
ストリーッパー役のマリサ・トメイは44歳。
年齢を感じさせない、美しい裸とセクシーさでした。
監督:ダーレン・アロノフスキー(ファウンテン 永遠につづく愛)
出演:ミッキー・ローク(シン・シティー)、マリサ・トメイ(いとこのビニー)
エヴァン・レイチェル・ウッド(ダウン・イン・ザ・バレー)
マーク・マーゴリス(ファウンテン 永遠につづく愛)、トッド・バリー、ワス・スティーヴンス
ジュダ・フリードランダー(アメリカン・スプレンダー)、アーネスト・ミラー
ディラン・サマーズ
<あらすじ>
人気レスラーだったランディ(ミッキー・ローク)は、スーパーでアルバイトをしながら、かろうじてプロレスを続けていたが、ある日長年のステロイド使用が 祟り、心臓発作を起こしてしまう。病院のベッドで目覚めたランディは、医者に「命が惜しければリングには立つな」リングに立つことを禁じられる。
妻とは離婚し、一人娘のステファニー(エヴァ ン・レイチェル・ウッド)とも疎遠で、ひとりになってしまったランディ。せめて娘との関係だけは修復しようとするが、冷たくあしらわれ、さらに好意をもっ ていた顔なじみのストリッパー・キャシディ(マリサ・トメイ)にも振られてしまう…。
<受賞歴2008年>
○ヴェネツィア国際映画祭:金獅子賞
○ゴールデングローブ賞:主演男優賞 (ドラマ部門)、歌曲賞
○英国アカデミー賞:主演男優賞
○インディペンデント・スピリット賞:作品賞、主演男優賞、 撮影賞
○放送映画批評家協会賞:歌曲賞
*その他も含めると計54の賞を獲得しています。
<マメ知識>
○当初、制作会社はこの映画の主演にニコラス・ケイジを起用しようとしていましたが、監督のダーレン・アロノフスキーはミッキー・ロークを主演に据えることを強硬に主張し譲りませんでした。その影響で制作費は数億円にまで削られ、公開日に封切りした映画館はたった4館。
○ミッキー・ロークのギャラはゼロ(?)との噂(監督に惚れこんだので)までありましたが、最低限のギャラは貰ったとインタビューで答えています。
○主題歌の“The Wrestler”はブルース・スプリングスティーンがこの映画のために書き下ろしたモノです。ミッキー・ロークが、ブルース・スプリングスティーンに直接、手紙を書いて頼んだそうです。
○56歳のミッキー・ロークは3ヶ月間のトレーニングで、ビルド・アップされた肉体とプロレスの技を習得。
<感想など>
観よう、観ようと思って、ようやく観にいけました。
ミッキー・ローク・・・
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」を観て以来、彼に魅せられ追いかけていましたが・・・
何を思ったのかボクシングに注力(やりたかったから?)、伝説の「猫パンチ」を残しその後は、鳴かず飛ばず ―
一気にスターの座から転がり落ちました。
その後は暗黒時代が ―
「シン・シティー」で強烈な印象を残しましたが、この「レスラー」で完全復活か?
となれば、観なくてはいけません。
ねばならない
のです。
主人公ランディーのかつての栄光と、現在おかれている現状の強烈なコントラストを映し出すオープニングは秀逸です。
その現状とはいかなるモノなのでしょうか?
地方の場末の体育館。
人がほとんど来ないサイン会。
トレーラーハウスでの生活。
老眼鏡と補聴器。
アルバイト。
孤独。
それでも、プロレレスを続ける・・・
プロレスという虚構の世界でしか生きていけない、男の人生の悲哀。
まるで、栄光から転がり落ちたミッキー・ローク本人を見ているようです。
ランディーとミッキー・ロークがシンクロして観る者に迫ってきます。
これが、当初予定されていた、ニコラス・ケイジだったらどうなったのかな~?
絶対に、心に迫ってくる事は無いでしょうね。
ショー・ビジネスとしてプロレスの舞台裏も数多く見せています。
試合前の打ち合わせ。
増強剤談義。
常にお互いをリスペクトし、称えあう精神。
知らない人にとっては新鮮で驚きの場面だったと思います。
日本だったらタブー視されている面もありますからね。
ちなみに、ロッカールームでの会話に関しては、台本はなく、全てアドリブ(?)らしいです。
ある日、使用して来た筋肉増強剤のためのランディーは心臓発作で、試合後倒れます。
そして、医者に
「二度とリングには上がらないように」
と宣告され、
自分の「死」を強烈に意識した時の孤独感と焦燥感。
どうして良いか分からず ―
密かに想いを寄せていたストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)に会いに行き、
疎遠だった娘ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とコンタクトをとるように提案されます。
ランディーには、頼れる相手が居ないのです。
彼にとっては、プロレスが全てだったから・・・。
限界を感じたランディーは引退を決意し、アルバイト先でのフルタイムでの仕事も始め、ステファニーとの関係の修復に努力する ―
ステファニーと会い、
「さびしくて仕方がない」
と涙をこぼすランディー。
しかし、全ては身から出た錆び。
「自分が頼りたくなった時だけ、頼りに来ないで!」
というステファニーの叫び。
最低の男と思われても仕方ない、それまでの家族との関係を浮き彫りにしています。
娘との関係も改善の兆しも見え、バイト先での仕事にも慣れてきても何かが違う。
自分の居場所では無い。
自ら招いた失態で、再び全てを失ってしまうランディー。
プロレスしか知らず、リングの中でのみヒーローであり続け、輝ける。
それがどんな場所であろうとも・・・
そんな男、ランディーに残っている帰る場所は ―
プロレス
それしか無かったのです。
そして、ランディーは再びリングに上がり ―
栄光の時代の再戦に臨みます。
技を繰り出し、痛む胸を押さえてトップロープに上ったランディーの頭に去来したモノは?
そこから、ランディーは往年の必殺技を繰り出しジャンプ・・・・
跳んだ先に・・・・
自分には「これしかないのだ」という男の矜持。
そして、希望。
を見たような気がしました。
ミッキー・ロークの役作り ― この役に欠ける役者魂が凄い!!!
見事にビルド・アップされた肉体。
一緒に演じている本職のレスラーと比べても遜色ありません。
また、プロレスの大技の数々を披露してくれます。
そして、身体全体から香り立つ、悲哀。
これは、奈落の底から復活した、彼にしか出せない味です。
完璧です!!!
ストリッパー役のマリサ・トメイの演技も素晴らしい。
身体を張る仕事をそしている者同士しか、分からない哀しさ―
ランディーを一度は拒絶しますが、支えようと戻ってくる・・・
再戦のリングに向かう、ランディーを止めつつも、送りだす表情などは深く心に沁み込みます。
ミッキー・ロークファンの貴方。
プロレス好きの貴方。
何か、一つの事を信じ抜く凄さを知りたい貴方。
男の哀愁を感じ、退廃の美学を体感したい貴方。
お勧めです。
<最後に>
試合のシーンは本物以上(?)の迫力と痛さが画面から伝わってきます。
当然、流血シーンには事欠きません。
また、試合後のロッカールームでの怪我の処置の場面もエグイです。
その手の映像が苦手な人には、ちとキツイかも知れません。
<おまけ>
ストリーッパー役のマリサ・トメイは44歳。
年齢を感じさせない、美しい裸とセクシーさでした。