監督:滝田洋二郎陰陽師1/2、バッテリー)
出演:本木雅弘、広末涼子、山﨑努、余貴美子、杉本哲太、峰岸徹、山田辰夫、
 橘ユキコ
    吉行和子、
笹野高史

東京のオーケストラ楽団をリストラされた主人公大悟は、生まれ故郷の山形で仕事を探していた。
新聞の求人欄を見ていてふと目にとまった広告。「年齢問わず、高給保障、実質労働時間わずか」に誘われて大悟はく求人先のNKエージェントを訪れるが・・・・
「あぁこの広告、誤植だな。”旅のお手伝い”ではなくて、安らかな”旅立ちのお手伝い”」と、社長の佐々木から、思いもよらない業務内容を伝えられる。それは、「納棺」、死体を納める仕事だった。
戸惑いながらも、妻の美香には冠婚葬祭関係の仕事と偽り、納棺師の見習として働き出す大悟。納棺先では、様々な境遇の人生の新たな「旅立ち」が待っていた。
美人だと思ったらニューハーフだった青年、幼い子どもを残して亡くなった母、身近な人の死。
そして幼い時、大悟と母を置いて消えた父への思い。幼い頃に交わした思いは、お互いに届いていたのか?

この映画、納棺師いう馴染みのない職業を通して、「人間の死」 という誰もが避けて通れない普遍的なテーマを、ユーモアを散りばめながも、真摯に、そして感動的に描いています。
さらに、キャストが豪華。
主人公大悟に本木雅弘、社長の小林に山崎努、大悟の妻に広末涼子、その他にも出演者皆が演技派の俳優陣で固められている。このような、オールスターキャストではまとまりがつかなくなりがちですが、この映画では主は主脇は脇でしっかりと良い仕事をしています。

大悟は戸惑いながらも社長の仕事に対する姿勢を感じ取り、納棺師という仕事を受け入れ、誇りを持つまでに成長していく一方で、妻の美香は「恥ずかしい仕事」 
そして極めつけは

「汚らわしい、触らないで!!」



の言葉。まあ、結局、後で仕事を理解するのですが。

映画の中での美香の言葉は、この仕事を含む「死」 に対する一般的なイメージを代弁しているように思えます。我々は「死は忌むべき不浄なもの」刷り込まれている 面があるのではないでしょうか?
本来、納棺のための支度は遺族がするものだったらしい(恥ずかしながら私はこの映画を観て初めて知りました)ですが、納棺師は遺族に代わり亡くなった人に寄り添い、残された家族を思いやり、大袈裟に言うと
「死者が尊厳を保ったまま旅立つ」 
ための準備を行 います。
この映画の中での納棺師の所作は一つひとつが機械的では無く、真心のこもった美しいものに思えました。
物語のクライマックスの納棺シーンは予想できましたが、それはそれで良かったし感動的。

自分に近しい人の死、自分の死。
その時の「送り出し方」「送られ方」を考える良い機会を与えてくれます。
そんな事考えたく無いという人もいるとは思いますが、笑い所ではシッカリと笑わせ、感動させる所では涙を流させてくれる映画です。
お勧めです。

9月13日公開です。