監督・脚本:ショーン・ペン(クロッシング・ガード:ジャック・ニコルソン主演)
出    演:エミール・ハーシュ(スピード・レーサー)、ハル・ホルブルック(大統領の陰謀、ウォール街)
       キャサリン・キーナー(マルコヴィッチの穴)、ウィリアム・ハート(蜘蛛女のキス、グッド・シェパード)
       ヴィンス・ヴォーン(ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク)

<あらすじ>
1990年夏。ジョージア州アトランタの大学を優秀な成績で卒業したクリスは、ハーバードのロースクールへの進学も決まり、将来を有望視された22歳の若者だった。
ところが、ある日クリスは周囲の期待をよそに、誰にも告げず車を捨て、貯金の全てを慈善団体に寄付し、カード類も全て燃やし、名前さえ捨てて、アラスカへ向けて旅に出る。家族の過去、抑圧、社会が決めたルールや義務、それら自分を取り巻く全てのものから自由を勝ち取り、真理を手に入れるために。
旅の途中クリスは、複雑な過去を持つ人達と知り合い、かけがえの無い濃密な人間関係を築いていく。しかし、クリスは「人と関係性を築くことの中だけに楽しみ、喜びがあるのではなく、神はそれ以外楽しみを数多く用意している」とし、誰もいないアラスカの荒野へと向かう。その先でクリスは何を得るか・・・・。

<感想など>
この作品は、全米で大ベストセラーになったノンフィクション「荒野へ」をご存じショーン・ペンが監督した作品。
主演のクリス役のエミール・ハシューの演技が素晴らしいです。家族の過去を知り絶望し、物質(モノに支配されている)社会に背を向けるナイーブな青年を見事に演じきっています。
物語は、第1章、第2章というように章建てになっており、アラスカの大地でのクリス生活と、それまでの彼の生い立ち、旅の途中で出会った人達とのエピソードが交互見せることで構成されています章ごとの副題も意味深くクリスの旅を追体験ができ、ショーン・ペンの監督としての確かな仕事ぶりがわかりますね。
また、劇中の音楽も実に効果的で物語をしっかりとサポートしてくれています。

誰しも、
「全てのモノ、人などの
縛から解放されるために何もかも捨てて何処かに行ってしまいたい」
と思うことがあるはず。主人公クリスのアラスカへの旅は「現実逃避」 なのか?自己実現のための「探求と挑戦」 のか?
クリスはアラスカの大地で自分自身で答えを見つけ、家族への「赦し」 の気持ちを抱くことができました。「現実逃避」「探求と挑戦」子どもから大人になるたには必要な通過儀礼。クリスほどの行動はしなくても誰でも少なからず経験すること。だから、この映画を観て私はクリスに感情移入しちゃいました。
結局、クリスはアクシデントによってアラスカの大地から出られないまま衰弱し、死を迎えます。
クリスがアラスカの大地で得た真理
「幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合ったときだ。」

という言葉が何とも悲しい。
そして心打たれるメッセージ性の強い映画です。

映画の冒頭でスクリーンに描きだされたクリスからのメッセージ。


「人生において必要なのは

 実際の強さよりも強いと感じる心だ
 一度は自分を試すこと
 一度は太古の人間のような環境に身を置くこと
 自分の頭と手しか頼れない
 過酷な状況に一人で立ち向かうこと」



これを読んで、少しでも共感できる人は見るべき映画です。
映画館でご覧あれ!!


9月6日公開です。