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今回は、「音程」と「音律」です。

 

 

私は、アマチュアのチェロ弾きですが、

チェロで特に難しいのは、「音程」を取ることです。

 

「音程」を自分で調整できる楽器、

中でもヴァイオリンを始めとする弦楽器にとって、

正しい音程を取ることは永遠の課題かと思われます。

 

さらに、

勉強すると分かりますが、

正しい「音程」にも

正解が複数あったりして、

難しくて複雑なのが「音程」です。

 

特にアマチュアは、

間口の小さいムービングゴールポストみたいな

「音程」に対して、

イマイチの精度で合わせようと試みるので、

結果が悲惨なことになりがちです。

 

繰り返しますが「音程」は永遠の課題です!

 

 

 

ということで

音程の考え方である「音律」と、

「音程」について考えるのが、

今回のテーマです。

 

 

 

ルールである「音律」から始めます。

 

まずは、「ピタゴラス音律」から。

 

紀元前500年頃のギリシャの数学者であり哲学者でもあった、

ピタゴラスが考案したのが、

ピタゴラス音律です。

 

振動数が2:3となる完全5度を並べていって、

♭、♯が付いた音も含めて

全ての音階の音を作るのが、

この音律です。

 

5度ずつに取った音でで音階にすると、

全音広め、半音階狭めとなり、

全音と半音の効果が強調されて

音階やメロディ美しくなるという長所があります。

 

また、当時使われていた和音は

5度が主役だったため

ハーモニーも美しく響きました。

 

ただし、現在の主流である3度の和音が

綺麗に響かないという欠点があります。

 

 

 

次は「純正律」です。

 

古代の音律はピタゴラス音律でしたが、

ルネサンス期以降には5度だけでなく、

3度の和音や主要三和音が重要視されるようになって来ました。

 

この為、周波数の割合が4:5:6である

主要三和音が完全に響く音階を作ったのが、

純正律です。

 

和音には非常に優れており、

「純正律教」の信者のごとく、

純正律だけが素晴らしいという感じの人を

多々見かけます。

 

しかし弱点もあり、

 

音階にすると、

ミとシという緊張感音のある音が低めなのと、

 

全音が2種類できて音階が均等でないこと、

 

常に正確な純正律で弾くのが難しい等、

 

完璧というわけではありません。

 

 

 

そして、「平均律」です。

 

全ての半音を12等分したものが、

平均律です。

 

16世紀頃からある、

フレット付きのリュートやギター辺りから

実用化された様です。

 

完全な和音もなく、

旋律もまずまずですが、

 

明確な欠点はなく、

折衷案的で使いやすいのが特徴です。

 

 

主な音律はこんなところです。

 

 

 

ここで、私のやっているチェロなどの弓で弾く弦楽器は、

5度(コントラバスは4度)で調弦をします。

 

5度調弦なので、

ピタゴラス音律が自然に弾けます。

このままで、メロディも目立ちやすいです。

 

なので音階はピタゴラス音律で練習して、

メロディを目立たせるときはピタゴラス音律、

主要三和音の時にはミとシを低く取るようにすると、

だいたいつじつまが合います。

 

管楽器については詳しくありませんが、

特に金管楽器は倍音で音程を作っているので、

純正律や主要三和音を自然に響かせやすいです。

 

そして、オーケストラで、

弦楽器の旋律に合わせる時に、

ピタゴラス音律を意識できるとよいと思われます。

 

 

メロディで個性を出すピタゴラス音律、

主要三和音で協調性重視の純正律、

半音階進行や折衷案の平均律、

 

これらを、場面に合わせて使い分けるのが、

実践的な音程の取り方だと思われます。

 

 

だいぶ主観的ではありますが、

 

古代に5度で「神と繋がる」手段だった

ピタゴラス音律、

 

近代に神の存在理由である「成長」

とこれに伴う葛藤と喜びを表した純正律、

 

さらに新たな成長の先にある「未来への不安や葛藤」

を示す12音階に適した平均律。

 

 

それぞれの音律の内的世界に想いを馳せつつ、

チューナーを見ながら、

少しずつ、

自分だけの音程を育てていきたいと

思います。

 

 

それでは。