ようこそ、ひでちぇろブログへ。

 

今回のテーマは、「音楽」と「物語」です。

 

早速ですが、まず「物語」について考えます。

なぜ人は、「物語」を求めるのでしょうか。

 

「物語」について考えるには、

宇宙の成り立ちレベルの視点から考えていくのが、

遠回りの様で間違いがないと考えます。

 

宇宙の成り立ちということで、

創造主は「愛」と「成長」によって「幸福」を感じる為に

宇宙を創ったと、私は考えます。

 

元々は無垢で動きの無い「愛」だけの存在だった創造主が

始めに言葉ありきで自分を分離させ、

「愛」という名のエネルギーを元に、

「時間」、「空間」という枠組みと共に、

精霊(八百万の神)、魂、自我、生命、物質等を創ったったと想定しています。

 

その創造された、分離した物質界の掟に縛られながらも、

魂は「成長」という「物語」を紡いで行き、

最終的には創造主と一体化します。

 

「愛」という名の空間と、

「成長」という名の時間によって、

宇宙が幸福を幸福を感じるプロジェクトに参画しているのが我々の人生です。

 

 

ここで、「神話の法則」というものを紹介します。

 

色々な人がこの法則に言及しています。

重要人物としては、アマゾンの奥地で神話を採取し、

構造主義を提唱したレヴィ=ストロースなどもいますが、

 

一番一般的で理論が整理されていると思われるのが、

アメリカの神話学者のジョセフ・キャンベルによるものです。

 

キャンベル曰く、

神話における英雄の成長「物語」に共通するプロットは、

以下の通りです。

 

Calling(天命)

Commitment(旅の始まり)

Threshold(境界線)

Guardians(メンター)

Demon(悪魔)

Transformation(変容)

Complete the task(課題完了)

Return home(故郷へ帰る)

 

確かに、命の危険も有ったりしていかにも「成長」しそうな構成です。

というか、「成長」しないと死んでしまいそうですね。

 

これも、創造主が意図した「成長」の性質を表したものだと思われます。

 

そして、我々の人生もこの「成長」法則による「物語」に貫かれていると考えられます。

 

 

 

話が「物語」だけで終わりそうですが、

ここで「音楽」と「物語」についての話題に移ります。

 

まず、「音楽」は元々創造主とダイレクトに接続されるものなので、

それ自体が「愛」と「成長」の性質に貫かれています。

 

 

そのことを意識しつつ、今回のテーマである

「物語」という視点で「音楽」について考えてみます。

 

 

まず、音楽の中での最小単位は「一つ一つの音」です。

 

私の感覚ですが、

曲の途中の一つの音は、その音が出ている時間だけで存在している訳ではありません。

 

曲が始まる前のアウフタクトから準備その音が出る直前まで水面下で準備がなされ、

音が終わった後も、その後曲が終わるまで影響を持ちます。

 

その音が出ている間がピークですが、それ以外のすべての瞬間が「物語」です。

一つ一つのすべての音が「成長」ストーリーとしての「物語」を持っています。

 

 

次に、小節、フレーズ、メロディーという単位でも、

その中に一つの「成長」「物語」があります。

 

演奏で考えると、

アウフタクトで息を吸ってから始まり、

その後、少しずつ「成長」して盛り上がり、

終わりに近づいたところでピークを迎え、

最後は落ち着きます。

 

これに合わせて微妙にテンポも加速し、減速して最後は落ち着きます。

これを理解していないと、演奏しても「物語」は伝わりません。

 

 

1曲や一つの楽章の中でも、「成長」「物語」があります。

典型的なのがソナタ形式です。

 

提示部で主題が提示して冒険などが開始され、

展開部で戦って「成長」、「変容」し、再現部で帰還して終わります。

 

最も「成長」「物語」が手に取るように分かりやすいところかと思います。

 

一人の作曲家の人生の「物語」もそうですね、

学生時代など若い頃に作曲した曲から、

晩年に作曲した曲。両者では全く異なります。

その中作品ごとに「成長」「物語」があります。

 

番号のついた交響曲を見ると分かりやすいです。

例えばマーラーの交響曲第1番は楽天的で青春の様なさわやかさが有りますが、

未完の10番は最初から成熟しており、

死についても雄弁に語りかけてくる感じに死の直前まで「成長」しています。

 

さらに、クラシック音楽というジャンル全体でも「成長」があります。

ルネサンス期からバロックで始まり、

古典、ロマン派、近代、現代と、

多くの作曲家と演奏家たちによって音楽と人生のバトンと共に受け継がれました。

この大きな流れの中にも「成長」「物語」があります。

 

そして、近代の文明の上位にある人類の文明、

 

ここら辺からは音楽を超えて、

地球上の生命、地球、太陽系、銀河と

どんどん大きいレベルまで成長「物語」が入れ子になって存在しています。

 

 

そして頂点が創造主による「愛」と「成長」です。

 

音楽を演奏する立場から考えると、

この「成長」「物語」が音楽のどの段階にも含まれている事を理解すること、

今自分がどの段階の「成長」法則にフォーカスしているか、

何を意識できていないかに自覚的になれることが、

「演奏」によって音楽を目の前に創り出す、

「音楽の創造者」として大切と考えます。

 

今回はそんなところです。

では。