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今回はリヒャルト・シュトラウスです。
ちなみに、ウインナーワルツで有名な
ヨハン・シュトラウスとは特に血のつながりはありません。
リヒャルト・シュトラウス(以降Rシュトラウス)の音楽の特徴は、
絵画や彫刻を彷彿とさせる写実主義や、
曲の最も重要なシーンで音楽が金色(こんじき)の響き
を持つな巨大な歓喜が有るところです。
私個人の感想ですが。
この時代の作曲家では、今でもマーラーと並んでよく演奏されています。
また、他の作曲家と違って精神はおおむね健康で、
85歳まで長生きしました。
相当強い精神力があったのか、
恐妻だったらしい奥様のおかげかとも言われています。
作曲家としては珍しいですね。
彼の人生を見ていきます。
マーラーが生まれた4年後、
1864年にミュンヘンで生まれます。
父はミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者、
母はビール醸造家の娘だったそうです。
(音楽にビールとうらやましい感じです)
幼い時から父より音楽教育を受け、
早くから作曲もしました。
そしてミュンヘンで大学を出た後、
ハンス・フォン・ビューローに見いだされてマイニンゲン宮廷楽団の補助指揮者となり、
その後後継者として正指揮者となります。
革新的な音楽とも出会い、
交響詩「ドンファン」を25歳で作曲、演奏して成功しました。
そして、一連の交響詩、
「ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、
「ツァラトゥストラはかく語りき」などの名曲を作曲します。
順調な指揮者及び作曲家として
人生を歩み始めたRシュトラウスは、
30歳で歌手のパウリーネと結婚します。
このパウリーネは激しい性格で恐妻家様でした。
それから、
34歳で交響詩「英雄の生涯」を作曲します。
あたかも成功した自分の人生を振り替えるかのような曲で、
妻のパウリーネもバイオリンソロとして、
曲中で大きく取り上げられています。
恐妻家といいつつ、意外と仲は良かった様です。
そして、
「サロメ」、「エレクトラ」等の
前衛的オペラを作曲します。
マーラー等当時の作曲家には受け入れられたものの、
演奏会では聴衆からブーイングを受けました。
その後、
前衛さを控えて「薔薇の騎手」を発表したところ大成功しました。
これ以降、前衛的な音楽からは距離を置くようになりました。
40代から50代で
「家庭交響曲」、「アルプ交響曲」
などの完成度の高いオーケストラ曲を書きます。
60代にはナチスが台頭し始め、
ナチスに協力させられて、「日本の皇紀2600年によせる祝典曲」
という同盟国の日本向けの曲も書きました。
そして、81歳で第二次世界大戦が集結します。
84歳には「4つの最後の歌」等を作曲活動を続けましたが、
85歳で亡くなりました。
Rシュトラウスの人生が特徴的だったのは、
作曲家としては非常に長生きだったこと。
そして、現実家で精神は常に健康であったことです。
(お金にがめついと言われたこともあった様です)
恐妻家だったがゆえに、
妻が叱咤激励してくれたのが功を奏したのかもしれません。
これまでのドイツの作曲家は、
どこかで不器用で、
早くに亡くなるか、遅咲きかでしたが、
25歳から81歳まで一線で活躍し続けたのは本当に凄いと思います。
ここで、
弾いて特に印象に残った曲を書いてみます。
最も印象に残ったのは「アルプス交響曲」です。
大学3年の時、
NHK主宰の音楽祭があり、
オーディションに受かって出演しました。
演奏はNHKで放映され、ちょっとTVにも映りました。
コンマスとかチェロトップの様な一部の人はプロになるような、
関東の大学オケから良く弾ける人を集めたオーケストラでした。
で、「アルプス交響曲」を弾く訳ですが、
ブラームスとかチャイコフスキーとかに比べて、
めちゃくちゃ難しかったです。譜面が複雑なんですね。
そして、とにかく曲のスケールが大きかったし、
打楽器がたくさんいて、オルガンも入って、
編成も大きかったです。
なにしろ規模が大きかったです。
曲は、ものすごく素晴らしかったです。
曲のストーリーを紹介してみます。
夜明けに始まり、
登山開始、
お花畑、
牧場、
道に迷う、
危ない瞬間、
と、アルプスを登っていきます、
アルプス登山がリアルにイメージできる曲想で、
Rシュトラウスの音楽の作りの上手さに
ほれぼれします。
そして、頂上!
金管楽器がここで大音響での「金色」の輝きを見せます。
前半の頂点です。
その後、下山しますが、
雲行きが怪しくなり、
雨が来たかと思うと、大嵐が来ます。
ここで、ウインドマシーンという風の音が出る楽器と、
ドナーマシーンという雷の音が出る楽器を使って、
嵐を表現します。
手に汗握る感じです。
その後、嵐が過ぎ去って、夕暮れが来て、
哀愁と共に幸福感に浸る後半のピークが来ます。
そして、日が沈むと共に曲も終結。
という感じです。
文章だと表現しきれませんが、
本当にいい曲で、ぜひ聴いていただきたいです。
私はこの曲を弾いてから、
後期のロマン派に耳が開かれました。
一曲の解説が長くなったので、
ここら辺にしますが、
「英雄の生涯」、「家庭交響曲」、「
「ツァラトゥストラはかく語り」
なんかもいい曲でした。
Rシュトラウス特有の感動があります。
最後に、Rシュトラウスの
人物についてです。
Rシュトラウスは、これまでのドイツ音楽の作曲家と異なり、
聴き手が何を「快」と感じるかをよく理解していたのではないでしょうか。
心のベクトルが自分の内面ではなく、
外側の環境、聴衆に向いていた様に感じます。
ユングのタイプ論で言うところの、
内向性ではなく外向性の人ですね。
聴き手がどう感じるか、計算して作曲できたのではないでしょうか。
ある意味特異で稀有な作曲家かと思います。
そして、実際に作曲した音楽は、
規模の大きい交響曲や交響詩で
巨大な規模で金色の輝きを放つ響きを持つシーン、
困難を味わうシーン、
旅の終わりに憂いと安どがないまぜとなった独特の感情を味わうシーン
などがあり、
安定して聴き手を満足されてくれますし、
こういうシーンにこそ独特の彼にしか表現できない、
真髄の部分があると感じます。
彼はどう感じて巨大な構築物のような音楽を作ったのか。
私はタイプは違うが、彼にどんな景色が見えていたのか、
もっと知ってみたいですし、
今後もまた彼の曲を弾きたいと思います。
では。