ようこそ、ひでちぇろブログへ。

 

 

日本の政治史と思想史が専門で思想家の、

丸山真男さんをご存知でしょうか。

 

専門とは別に大のクラシック音楽好きで、

例えば、

ワーグナーのオペラのスコア(総譜)のすべてのページに

書き込みして、

ワグナーのメッカであるバイロイト音楽祭を現地まで

聴きに行ったりするくらい、

傾倒していた様です。

 

作曲者はベートーベンとワグナー

指揮者ではフルトベングラーを崇拝していたようです。

 

私は、

作曲者の崇拝についてはそれほど共感出来ませんが、

 

彼のインタビューで一番いいなと思ったのは、

 

「クラシックの生命の中心は調性である。

これがあるからクラシックは数百年の生命力を持っている。

 調性が心臓部である」

 

という言葉です。

 

長調から異なる調や短調に転調してまた元に戻って平和を感じたり、

 

和音でいえばドミナント(ソ、シ、レ)に行って緊張を味わってから、

トニカ(ド、ミ、ソ)に戻ったり。

 

これが人の心の琴線に触れる、

普遍的な物語を生み出すのでしょう。

 

実際、

クラシック以降のすべての西洋音楽に生かされています。

 

この調性の変化は、人間の感情の動きや人生と同じで、

 

苦という緊張と楽という弛緩を繰り返し、

少しずつ成長し、

 

必ず終わりがあります。

 

そしてこれを、

3度を2つ重ねた和音3種類と、

 

調の変化の力で表現できるというのは、

本当にクラシック音楽の力だと思います。

 

調性という普遍的な表現力を生み出したクラシック音楽、

 

ぜひ、今後も調性は捨て去らずに発展していって欲しいと思います。

 

 

それでは。

 

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