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今回は、音律とか音程の話です。

 

音律についてネットで検索すると

良く見かけるのが、

 

「平均律」は間違い「純正律」が正しい、

という意見です。

 

純正律は、

「ドミソ」、「ファラド」「ソシレ」の

主要な3和音がきれいに響くことと、

(平均律ではうなりが発生する)

 

純正律の音だけで音階を構成できることもあり、

「ドレミファソラシド」を純正律にすべきというものです。

 

 

しかし、私としてはこの意見に抵抗があります。

 

ピタゴラス音律、

をご存知でしょうか。

 

ド→ソ→レ→ラ→…

という風に5度の上下(と8度)だけで

音を作っていく音律です。

 

この音律の場合、

主要3和音の様な和音のハーモニーは濁ってしまい苦手です。

 

音程としての特徴は、ミ、ラ、シが高いことです。

これにより、音階とかメロディーが、

より際立って美しくなります。

 

音階は始まりの音から上がっていく時、

全音、全音、半音を2回繰り返します。

 

ピタゴラス音律では、

全音が幅広く、半音が狭くなります。

 

これにより、上昇時に広い全音でより緊張が高まり、

狭い半音でより弛緩が感じられやすくなります。

つまり、ピタゴラス音律ではメロディきれいになります。

 

ここで、

あまり推奨されることのない

ピタゴラス音律の具体例を挙げてみます。

 

一つが

カザルスのバッハ無伴奏です。

特にミとシを相当高めに弾いています。

おそらく意図的に。

そのおかげで、とても音階が力強いです。

 

もう一つが、

北島三郎さんです。

演歌は単音のメロディーが優勢な音楽なのでしょう。

純正律の音階を聴くとシが低く聞こえるそうです。

 

 

理想的には、

メロディをピタゴラス音律にして、

それに付随する3和音は、

メロディの音程に合わせてずらした純正律とするのが、

両者の長所を生かせて一番美しいということになります。

 

私がオーケストラでチェロを演奏する時は、

伴奏では「ミラシ」低め、

対旋律やメロディでは「ミラシ」高めで、

周りを聴きながら合わせる感じで弾いています。

 

オーケストラの他の楽器を見ると、

弦楽器はピタゴラス音律が得意、

管楽器は純正律が得意です。

 

得意、不得意もあり、

その時に優先させたい音律もありで、

オーケストラ内の音程は結構混沌としています。

 

いくらチューニングでAの音を合わせても正解などない感じです。

 

しかし、

正解がないからといって、

自分が正しいと主張すると絶対合いません。。

音程はいかに矛盾しやすいを理解し、

考え方、感じ方の違いを越えて合わせていくことが大切

というのが私の考え方です。

 

結局、

音程、音律の選択も音楽性のうちであり、

人間の個性と同じで正解はありません。

場面ごとに相手に合わせて

柔軟に対応するのが良いと思われます。

 

 

それでは。

 

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