
ある営業マンの本を読んだときに、商品のデメリットをいかにメリットと考えるか、ということが書いてあった。例として、駅から離れた物件だとしてもそれをマイナスだととらえずに、通勤で足腰が鍛えられて健康になるので素晴らしい物件だと考えるとプラスになる、というのだ。
物事には裏面と表面が存在するが、それはどちらも同じコインなのである。あくまで見方や考え方によってマイナスなのかプラスなのか解釈してしまうが、要は同じものなのだ。デメリットとメリットだけでなく、ピンチとチャンス、不幸と幸、愛と憎なども根本は同じような感じがする。
であるならば、プラス思考というのは素晴らしい技術である。なぜなら、何が起きても良い風に解釈できるのであれば、拒絶せずに積極的に取り組むことができ、どんな問題でも解決の糸口を見つけることができるようになるからである。
ついつい欠点に目がいくのが人の脳の仕組みだが、それを振り切って感情に流されずにプラス方向に理性で考えることができるなら、難題でも乗り切れるようになりそうだ。

最も効果のある情報とは、体験から得られる情報である。その場に居合わせてどういう状況でそれが起こったのか、自分の目で確かめることで強く記憶に残り、そして次に同じような状況になっても同様に対応しやすくなる。
しかし時間が立てば、やはり忘れてしまうものである。それを少しでも防ぐには、メモを残しておくしかない。私もいくつかメモを残しているが、その中でこれは残しておいて良かったと思われるメモがある。それは、反省、話題、フレームワーク、である。
反省というのは「これはしまったな」と自分がお楚々をしてしまった事例で、メモを残して置いてたまに見返すのは効果的だ。また、体験したタメになった話や面白い話も、人に伝えるときに話題として残しておくのもよかった。フレームワークというのはちょっと大袈裟だが、つまりある場面において必要な要素はなんだったかをメモを残しておくと、次に取り組むときに抜けがなくて助かる。
体験で得たものは自分自身のことなので、本などでは得られない重要な知恵である。忘れないように次に活かしたいものである。

先日にあるゴルフ場のグループ会社の役員の方と、ゴルフを一緒にまわる機会があった。その方と終始議論していたのは、どのように工夫すればゴルフプレーヤーが増えるか、ということだった。そしてそれこそが、皆が勝ち組になる唯一の方法だという。
論理的に考えれば、ゴルフプレーヤーが増えることでゴルフ場の売上が増え、それからようやくゴルフ場を取り巻く業者が潤ってくる。決められた取り分を取り合うのではなく、いかにパイを増やすかを考えることが、全ての解決方法だという。それは、ゴルフ場の役割だけではなく、取り巻く業者にも求められる役割である。
パイを取り合えば市場参加者は敵同士になるが、パイを増やそうとするならば味方同士になる可能性がある。実際には周囲をだし抜く参加者もいるし、自社だけが動いても仕方ないという思いもあるだろう。それでもそのような思考を持つことで、顧客からも歓迎されるようになり、また新しい戦略が思いつく可能性が広がる。

千葉でも有数の素晴らしい管理をするグリーンキーパーのところに、上司と訪問する機会があった。その方とお話をしていた時に、「普段できていないことが明日突然できることは有り得ない。トーナメントに向けて当日何があっても対応できるように、今から教育しなければならない」ということを言っていた。
考えてみれば、それは当然のことである。人の技術というのは、突然できるようになるものではない。日々の訓練により徐々に体が覚えていくものなので、習得には必ず時間がかかる。そのため、その技術が必要な時までに、前もって計画的に実行しなければならない。当然のことなのだが、その日が来て危機を認識するまで、その重たい腰はなかなかあがらないのが普通だ。
仕事ができるかどうかの差のほとんどの場合は、先を見越して行動しているかどうかである。瞬間的に発揮される能力というのは人によって大差は無いと思われるが、違いが出るとすれば準備の差なのである。今日できないことが、明日突然にできることはないというのは、味わうべき言葉である。

人は何か喜びを得るために行動しているのだとすれば、より喜びを得られるように工夫することは合理的である。その有効な工夫の方法の一つが、「期待のコントロール」である。結果の内容をコントロールするよりも、期待のコントロールをするほうが即効性がある。
期待というのは取り扱いが難しいもので、期待があるからこそ行動に踏み出すものだが、それにより結果から得られる喜びを減少させる、あるいは失望を増幅させる効果もある。期待をすれば、その結果が出たらそれでsoso、結果が出なければ失望する、ということで、喜び×確率の期待値はマイナスとなってしまう。
期待をすれば喜びの期待値がマイナスになってしまうことを知るのなら、喜びの値を上げるには期待しなければいいということになる。そのために、相手に勝手な期待せずに、さらには相手に対して自分が期待をさせるようなことは慎むべきなのだ。それが、満足に生きていき、また相手に喜んで動いてもらうための本質である。