
国立大学を集中化させようと、本格的に民主党の文部科学省が動き出したようです。これは歳出の削減という大義もありますが、学生の能力引き上げのための大学教育品質の向上や、私立大学へ配慮した経済対策の意味合いも含まれるもので、早急に取り組んで欲しい事案だと思います。
都道府県超え、国立大を広域再編…文科省方針:読売新聞
近年の大学の教育方針のトレンドといえば、国際化と専門化の2つがあげられます。
国際化というのは、インターネットの普及も手伝ったグローバル化のもとで、外資企業との関わりが多くなる中では、必然的な流れです。国際学科の新設だけでなく、昨年から本格的に話題となった、大学秋入学の検討も、まさに国際化の一貫でしょう。
専門化というのも、同じく見逃せないもう1つのトレンドです。IT専門学校や福祉専門学校、その他専門学科が新設されると、その入学希望者は、よくある一般の学科よりも人気があるようです。なぜなら、その方が職場で使用する専門知識が身に付き、就職にも有利に働きやすいからです。
両者に共通するのは、「社会で実際に使える知識を身に付けた人材を育成する」という側面です。それもそのはずで、グローバルの競争が加速するなかで、日本も世界で活躍できる人材を、育てていきたいからです。さらには人口減少という日本社会現象がある中で、より生産性の高い人材を育てていかなければならない必要性が、これまで以上に高くなりました。それならば、ただただ単能工として一生懸命取り組むだけよかった時代の、従来と同じような教育方針では時代錯誤を起こしてしまいます。
それでは、標題の大学の集中化の話に戻りますが、これには上記の課題含め、いくつかの目的があることが推察されます。
・歳出負担を減らす
集中化するということは、スリムにして省力化するということで、必然的にコスト削減に繋がります。今回の大学集中化の具体的対策のなかに、教育分野が重複する学科の削減、を掲げていることから、無駄の排除を念頭においています。
・使える能力に焦点を当てる
今回の大学集中化の1つの具体策として、学科の目的の明確化とその集中化をあげています。つまり、現代の社会に照らし合わせて、目的をもつ学科を作ろうとしています。これにより、教員も学生も、資源の集中の恩恵を享受できるようになり増す。これまでのように、ただの受験戦争後の楽園にはならないでしょう。
・私立大学への配慮
これは明確ではありませんが、近年では私立大学の閉鎖が問題になっていることから、今一度教育経済の見直しを、現在図っていると考えられます。となれば、学費が安く偏差値の高い国立大学の窓口を狭くすることで、学生を広く分配させる目的があると考えられなくもありません。これに関しては、より一層の奨学金制度の検討が付き物になるでしょう。
これからの大学は、専門性を養えるもっと価値のある教育機関に、生まれ変わるかもしれません。