●ポイント
・宗教が必然なのは、難問と死への解答を提供するから
無宗教の私としては長らく、「なぜ宗教なんてあるのだろう」と疑問に思っていた。理由は、宗教とは、存在もしえない神を崇拝しストーリーが創られ、すなわちただのフィクションであるため、真実性がなく役に立たないものだと決めつけていたからだ。ところが、最近では、その宗教の存在理由が少し理解できる。
なぜ宗教があるのか。それは宗教が無いと、困ることが発生するからだ。
一つには、神の存在を定義しなければ、理由が説明つかない事象が存在する。今は科学が発達して、随分と自然現象の因果関係を暴いてきたが、それでも「なぜ宇宙が誕生したか」などの根本的な理由は、答えられないままである。そこにはもう、神の御業としか理由が存在しないのだ。神の存在は、答えのない質問に答えを与えてくれる。
そして、宗教は死について、答えを用意してくれるからだ。人間の重大な関心事である「死」について答えを持っているのは、今のところ宗教だけである。死の答えというよりも、死を解釈して不安を取り除く、といったほうがしっくりくるかもしれしれない。「天国にいく地獄にいく」「輪廻転生する」などの死後の存在は、まさに私達に安心を提供している。
宗教は長い歴史をもち、その時代の人間の恐怖や喜びに応えてきた経緯があるので、宗教を理解することは、人の思考回路を理解することに役立つかもしれない。
