たまにアゴラに寄稿されている藤沢数希氏のブログで、
ブクマを1000くらいまで集めた記事が気になる。
孫正義の秘密のアービトラージ
今回の孫氏の一連の行動を、
「奇跡のスキーム」と名付けているが、
そこで展開されるロジックはこうだ。
まず、孫氏がしきりにツイッターで
反原発や放射能への恐怖をあおっていたのは、
自然エネルギーの意識付けの下地を作っていたためだと。
そして上手く世論に足並みを合わせ、
周囲の人の同調の輪を大きく広げていった。
そこでは橋本知事や菅首相をも巻き込んでいき、
民衆は自然エネルギーの推進を強く支持した。
そうして菅首相は、
「なんとしてでも自然エネルギー全量買取法案が成立させる」
と力強く意思表示するに至った。
これが成立すれば、
孫氏のメガソーラー事業は
政府の補助金を得ることができる。
ところが奇妙な点がある。
それは孫氏は反原発一色かというと、
そうでもないことだ。
それは6月20日の、
韓国への訪問の際の発言である。
孫社長は李明博大統領と会談した際に席上で、
「脱原発は日本の話。
韓国は地震が多い日本とは明らかに異なる」
とし、
「安全に運営されている韓国の原発を高く評価している」
と話した。
(実は韓国は原発の依存度が高く、
電気代は日本のそれの3分の1である)
そしてソフトバンクは、
電気を大量に使うデータセンターを、
5月中に日本から韓国に移している。
すると以下のようなスキームができあがるという。
「まずソフトバンク傘下の電力を
大量に消費するデータセンターなどを韓国に移し、
そこで大量の電気を韓国で買う。
一方で、日本ではメガソーラー発電施設を建造し、
極めて高い電気を地域独占の半官半民の
電力会社に好きなだけ売る。
これによって、日本海の国境を渡って
韓国から日本に電気を運ぶことなく、
実質的に 韓国で買った電気を、
極めて高い値段で日本国民に売りさばくことが
可能になる。」
孫氏の狙いはまさにこの、
クロスボーダーによる電力アービトラージ取引だという。
もちろん、引っ掛かるところはいくつもあり、
データセンター使用量分とソーラー発電量の
サイズも合わないだろうし、
韓国と日本の件は独立なわけだし、
そもそも何百億もかけたメガソーラーへの
財団を立ち上げる理由もないだろうし、
深読みな部分は多々あるだろう。
が、最近で一番面白いと感じたので
話題性として取り上げてみた。
しかしもしこれが本当に孫氏の描いた脚本だとするならば、
その未来を見通す先見力とそのビジネス感覚には、
敬服せざるを得ない。