昨日、中国の鉄鋼企業が世界で猛威をふるっているという話に触れた。
内陸部や農村での中国の人件費の安さは先進国にとって驚異的で、
どのように対抗するかは海外競争企業の大きな課題になっている。
もちろん日本も例外ではなく、中国の安い製品や国内労働の空洞化に必死で対抗している。
だが最近ではこうした状況に対して、悲観的なニュースばかりではないようだ。
先日の経済新聞より。
「石川県の縫製業者にアパレルメーカーからの注文が急増。
中国現地で賃金上昇や納期遅れなどの問題が浮上し、
国内に加工先を切り替える動きが出てきた」
この記事によると、近年の中国の労務環境水準の上昇による中国工場の賃上げが、
コスト安にブレーキをかけているとのこと。
さらに、内陸部の経済発展に伴って沿海部への出稼ぎ労働者が減り、
海外受注を受け持つ沿海部工場の人手不足が頻繁化。
これにより度々納期遅れや品質低下が発生し、
発注企業も嫌気が差してきたという。
こういった現状が顕在化してきており、
日本国内の企業に受注仕事が回帰しているという仕組みだ。
こうした状況が続けば国内需要も増えていき、
特に下請けの中小企業に良い結果をもたらすだろう。
そうなれば雇用の増加も期待でき、
現在の付け焼き刃な経済政策よりも十分効果は期待できる。
だが国内需要の増加や製品品質の向上が期待できる反面、
商品の価格上昇も当然予想される。
メーカーや卸業、小売業で吸収しきれなかったコスト増は、
最終的に商品の値上げとして消費者にはね返ってくる。
もし消費者まで好況の波が届かずに値上げ商品の需要が増えなければ、
また同じように顧客の奪い合いの値下げ合戦が始まる。
こうなれば、供給先は賃金の安いタイやインドネシアに逆戻りとなり、
結局は本格的な国内需要の増加にならずに終わってしまうかもしれない。
価格の上昇もある程度我慢して、国産を受け入れるような私達消費者の努力も必要だろう。