こうした子どもの勉強のための個室化の現象の影響には、やはり、明治以降の学校教育の普及が挙げられるであろう。
日本の明治以降の急速な近代化をもたらした背景のひとつに江戸期における教育の普及率の高さが知られているが、明治以降も子どもの教育は重視された。
1872年に学制が制定されたが、その際に記された「学事奨励に関する被仰出書」には、①人は学ぶことにより自分自身の職業を得て独立した生活を営むこと、②こうした職業に繋がる学問こそが必要であること、③男女を問わず小学校に行かせなかった場合は父兄の落度であること、が記されているという(森山茂樹・中江和恵『日本子ども史』平凡社、2002年)。
まさに、教育の義務化が謳われていたのだ。