昔のっぽさんというすごい人がいて、ゴン太くんのために、いろいろな工作をしていた。
 ゴン太くんはよくしゃべるやつだと思っていたが、あれはナレーションの「おしゃべり」という役の声らしい。

 ゴン太くんは、鳴き声と思われる声しか発していない、とwikiに書いてあった。
 マジかよ、とカルチャーショックを受けた。

 のっぽさんの死去が公表されたのは、最近のような気がする。
 同じくwikiによると、22年に亡くなり、当人の希望で23年の誕生日5月に公表されたらしい。

 「昭和」がつぎつぎ終わっていく感じは、なかなか寂しいものがある。
 ご冥福をお祈りする。


 さて、私は地味に、この手の「工作」的な作業が好きだ。
 模型づくりの動画など、好んで眺めていたりする。

 ジャンクのパソコンなどを買って、直して使うこともよくある。
 最近はめんどくさくなって新品ばかり使っているので、これはいかん(?)と、ジャンクのタブレットPCを買った。

 Win11世代で、通常中古なら2~3万、これがジャンクで1万円だった。
 直して使えば、お財布にも優しい。

 ジャンクの理由は、OSなしでバッテリーの膨張だけ。
 そもそもバッテリーが高いので、直すより使えるものを買ったほうが安上がりという気もするが、使えるといっても中古、おそらくバッテリーもそれなりにヘタっている。

 そこで大容量の新品バッテリーを購入し、交換することにした。
 OSのインストールは簡単だし、この程度なら、ふつうはトラブルもなく完了するものなのだが……今回は、そうはいかなかった。


 いわゆる2in1のタブレットPC。
 見たところ、会社などで低負荷の決まりきった作業に使われていたが、バッテリーが膨張したのでお払い箱、という端末だろう。

 分厚いフィルムも貼られていて、傷はほとんどない。
 私はケータイもPCもケースとか使わない「裸族」なので、フィルムを剥がしてみたところ、とてもきれいだ。

 つまり唯一の問題を解決すれば、かなりの良品ということになる。
 その問題の解決が高くつくので、お安く買えたわけだが。


 新品バッテリーの到着を待って、作業開始。
 まずは液晶パネルが接着されているプラスチックのフレームを、本体側から取り外す。

 本体とフレームをつないでいるのはプラスチックのツメで、それを精密ドライバーなどで1個ずつ外していく感じだ。
 そうして貝のように開いた状態にしてから、バッテリーを交換する、という流れだと思っていた。

 途中まではその通り進んだのだが、どうしても外れないところがある。
 そこで作業が一時中断した。

 同じ型番の分解動画が見つからず、近い型番の動画ではフレームごと外している。
 が、私の手元にある端末では、それができない。

 壊す覚悟で無理やり外すのは最後の手段として、他の方策を考える。
 脳内に「でっきるっかな、でっきるっかな」と流れてきて、この時点で、ちょっと楽しくはなっている。


 膨張したバッテリーのおかげで、液晶パネルがすこし浮いているのを利用した。
 同様にマイナスドライバーで、両面テープで接着されている液晶パネルをすこしずつ剥がしていく。

 すると……謎が解けた。
 なんと、プラスチックフレームと本体が、一部、ネジ止めされていたのだ。

 これではツメのように外せるわけがない。
 しばし茫然としたが、とりあえずその2個のネジを、すでに半分以上剥がしている液晶の隙間から、精密ドライバーを入れて外そうと試みた。

 1個は外れたが、もう1個のほうがどうしても外れない。
 幅広の輪ゴムを使い、ネジ穴がナメないように気をつけながらやったが、細い隙間からでは力も入れられず、無茶すると壊れると判断し、方策を変更した。

 両面テープで接着されている液晶パネルだけ、すべて外す。
 すると、あとはフレームごと外したのと同様、バッテリー交換の作業ができた。

 バッテリーのネジの1個も、どうしても外れなかったが、どうせ交換するものだしこちらは無理やりねじ切った。
 バッテリーの型番は調べていた通り、ぴったりだった。


 さて、ここからは元に戻す作業になる。
 が、またしてもトラブル発生だ。

 インカメラ部分に、フレームと一体化して組まれたパーツがあって、それを無理やり剥がしたので、とっ散らかっている。
 元の位置に戻さねばならない。

 試行錯誤していると、小さい部品が外れた。
 カメラ関係の部品かと思ったが、どうやらwi-fiらしい。

 パーツを見ると、アンテナを支える台座の1個らしい。
 ネットがふつうにつながれば、まあ戻さなくていいかなと、とりあえずそのままにした。

 組み立てたところ部品が余る、というギャグ漫画のような結果だが、実用上の問題がなければさしたる支障もない。
 緩衝材のような2ミリくらいの金属部品、なくてもいいだろう、たぶん。

 とりあえず両面テープは貼り直さず、見た目だけは元通りになった。
 充電し、動画を垂れ流して6時間以上もつことを確認後、新しい両面テープで固定した。

 トータルの作業時間は30分少々。
 なんならこの文章を書くほうが、時間がかかった。


 たかがバッテリー交換、されどまれにハードルが高い端末もあるが、それほどむずかしくはない。
 コスパもいいので、工作が苦にならない方はお試しあれ。

 外したバッテリーは、みごとにぷっくりと膨らんでいた。
 酸化してガスが発生しており、圧力がかかるなどすると発煙、発火のおそれもある。

 このような危険物は、自治体のルールにしたがって廃棄しましょう。
 ふつうの燃えないゴミの日に出してはいけません。