私はたまに、オークションサイトを使う。
ヤフー、メルカリ、ラクマ、ひととおりのアプリは入れている。
ミニマリストなので、それほどたくさんの買い物はしない。
ただ必要なものを安く、できれば「商人」に儲けさせない方法で買うために、オークションは便利だと思っている。
あるとき、購入する前に自己紹介を見て、げんなりした。
そのままは書かないが、要するに「きちんと挨拶できない人とは取引しません」的なことが書いてあった。
アプリ内のメッセージ機能で、なにやら濃厚な会話ができない人には売らない、という姿勢らしい。
彼がオークションに求めているものと、私のそれは合致しない。
よって、そっ閉じた。
そういう「関係性」を求めるのは彼の自由だが、当方が求めるのは「説明に合致した商品を迅速に」だ。
オークションやフリマサイトで、私はほとんど購入者の側に立つが、メッセージを送ることは基本ない。
そんなものは必要ない、と思っているからだ。
質問などはあってもいいが、質問する必要がない程度の情報を出品時点で記載しておくことが望ましい。
売れたら発送し、買ったら着荷を確認・連絡する──お互いにやるべきことをやれば、それでよい。
トラブルになりたくないので、あまり出品はしないのだが、いまでも、たまに売ることはある。
売り手の側に立つときは、必要な連絡はもちろんする。
いつ発送するのかや、ありがとうございました、くらいだ。
べつに返事がなくてもよい、むしろ必要ない。
ところで先日、こんなメッセージが届いた。
速やかな発送ありがとうございます、きれいな商品でした、祖母が喜んでいます、お金がなくて安いのを探していました、などなど。
私はこれも、そっ閉じた。
そういうメッセージは、冒頭のタイプの方にでも送ったら喜ばれるのだろう。
私は不要なものを売っている。
あなたは必要なものを買っている。
その関係を成立させるために求められるのは、正確な情報と迅速な行動のみ。
やるべきことをちゃんとやるのは必要不可欠だが、それ以外の会話やメッセージはオマケみたいなもので、基本的には必要ないと思っている。
だからオークションマスターから、返事をしてくださいとか、あいさつしましょうなどと要求されると、イラッとする。
それは「商品の売買」にとって、必須事項ではないからだ。
私は正確な情報を記載して載せている。
よって質問されることはほとんどない。
たいていは質問などくる前に売れるが、たまにニッチな商品の場合は数日ほど売れない。
質問されれば返すが、値引き交渉がほとんどだ。
質問をしてくる相手というのは、だいたいろくでもないことが多い。
正確な情報を書いて、売ったあと、それでも文句を言ってきたりする。
傷があると書いてあるのに、この傷は深いので返品だと。
以前このブログでも書いたかもしれないが、まったく腹立たしい。
その場合、こう行動するようにしている。
べつに返品するのはいいが、あくまでも見解の相違なので、たとえば私は送料と落札手数料を損するが、相手にも送料くらいは負担してもらう、などと提案する。
すると相手は、それだとコストがかかるので、値引きしろ、などと言ってくる。
私だけが損をして、相手だけが得をする取引だ。
値引きはゼロサムゲームなので、たとえば私が1000円損すると、相手が1000円得をする。
そんな結果になるくらいなら、私は2000円損してもいいので、相手にも2000円損してもらう、それならば応じますよ、と伝える。
その商品を再出品してもらって、私が落札すれば簡単だ。
そういう取引が可能かどうかは、オークションサイトのルールを調べる必要はあるが。
自分が得をしたいだけの相手は、そういう提案をするとたいてい引き下がる。
その手のヤバイ相手には1、2度会っただけだが、それ以来、あまり出品しないようになった。
私はあいさつや会話を好まないので、いい出品者ではないかもしれない。
だがやるべきことを迅速に、必要なことをきちんとやるという点では、わるい出品者でもないはずだ。
いい人間でも、わるい人間でもなく、中道を生きたい。
日々そんなふうに思いながら、ひっそりと生きている。