私はミニマリストなので、古いものはほとんど手元にない。
 日常的に使用するものでないかぎり、たいがいのものを捨ててしまった。

 最近、スーパーファミコンというものを買った。
 骨董品趣味というわけではなく、遊ぶためだ。

 やりたいゲームがあるたびにゲーム機ごと買い、クリアしたら売り払うという生活をつづけている。
 ある日、なんとなくスーパーファミコンの『真・女神転生』をやりたくなって、ソフトごと買った。


 結論から言うと、遊べなかった。
 どうせ1回しかやらないしな、と思ってフリマで本体「動作未確認」を買ったのがまちがいだった。

 アダプタがないので動作未確認、という商品だったが、日本の製品力なら動くんじゃね?
 と期待したが、どうやらハズレだったようだ。

 起動しない。
 カセットふーふーしてみたが、ダメだ。

 一瞬だけ電源ランプは点灯したので、内部掃除してグリス吹いたらいけそうな気はするのだが……。
 分解して修理という考えも一瞬浮かんだが、そのための道具をそろえるくらいだったら、ふつうに新品の互換機を買ったほうが早い。

 PCはジャンクを買っても、biosが起動さえしていればパーツだけ変えてOSを入れれば動く、ということはよくある。
 ファミコンでも似たような修理マニュアルはあると思うが、そこまでやりたいか、という点が問題だ。


 だいたい性格的に、一度ゲームをはじめてしまうとやめられない。
 大量に時間が食われる。

 それでもやりたいゲームはもちろんやるが、そんなゲームはほとんどない。
 そもそも私は、一度クリアしたゲームや、一度読んだ本を再び手に取ることは、あまりないタイプだ。

 それでもやりたいのか、と問われると自信がないので、起動しない時点で「やるなということだな」と、あきらめた。
 もともとあまり執着しないタイプなのだが、年をとると、さらにあきらめがよくなっている自覚がある。

 しょせん全部で1万円ていどだ。
 スーファミセットを段ボールにもどし、なかったことにした。


 代わりにスイッチ版の『真・女神転生3』を買った。
 6月には『5』の新作も出るらしい。

 『3』はPS2で出たときに本体ごと買ってプレイしたので、それほどやりたいわけではないが、スイッチを買い直す「ついで」にやってもいい気はする。
 それにしてもニンテンドー・スイッチ、まだほとんど値崩れしていないのは、ほんとうにすごいと思う。



 さて、世の中ではレトロゲームが流行っているらしい。
 ファミコンはもちろん、メガドライブやプレステなど、けっこうリバイバルしている。

 私を含め、当時クソガキだった層が参入していることは想像に難くないが、どうやら若者の一部も乗っかっている。
 名作と言われるゲームであれば、たしかにどの世代がやろうと、おもしろいものはおもしろい。

 とくに『スーパーマリオブラザーズ』は、もはや1985年のゲームではない、と私は思っている。
 現在進行形で新しいステージがつくられ、日々消費されているからだ。

 『スーパーマリオメーカー』シリーズ。
 私自身はプレイしていないのだが、動画はよく観る。

 最近は、アメリカの若者がすごいテクニックで高難度のステージをクリアする姿を眺めながら、感心して飯を食っていることが多い。
 食事中のちょっとした休憩動画に、マリオは最適だ。

 レトロゲームのプレイ動画も、けっこう見てしまう。
 子どものころにクリアできなかった『魔界村』『ドルアーガの塔』『スペランカー』など、現代の若者が攻略している動画は、それなりにおもしろい。


 ちなみに作業動画は、前面展望やドライブ、料理、工場など、淡々と作業している動画を流していることが多い。
 この文章を書いている横の画面では、アルプスをサイクリングしていたりする。

 ゲーム画面は、思わずそちらに集中してしまうので、作業には向かない。
 車窓とか、自然な動画を流しておくくらいが、ちょうどいい。