私は賢い消費者なので、できるだけ日常の固定費を節約したいと思っている。

 各種の値上げがつづくなか、生活防衛のためにできることをやりたい。

 

 たとえばうちの通信回線、しばらく光だったが、群馬の奥地にも楽天の電波が届いたのを機に、置き換えてみた。

 結論から言うと、光とほぼ変わらない速度が出ている。

 

 誤解されたくないが、楽天モバイルを推奨しているわけではない。

 むしろこの会社には、かなりイライラしている。

 

 個人的感情は措いておこう。

 事実として、楽天回線は使える。

 

 

 理由はおおむねハッキリしている。

 使用者が著しく少ないせいだ。

 

 人口密度の高いところなど、ここ以外のどこかについては、いっさい検証していない。

 言い換えれば、この田舎における楽天回線は、おそらく私の占有回線と化している。

 

 有限の資源である電波。

 その帯域を使う人間が少ないほど、ひとりひとりの通信品質は高くなる。

 

 ヘビーな通信環境を要するゲームなどはしない。

 せいぜい将棋を指すくらいの私にとって、さしあたり電波でじゅうぶんであることは、最初からわかってはいた。

 

 

 その通信回線、埼玉の実家を一足早く、楽天に置き換えていた。

 こちらを置き換えるための様子見という意味もあったが、問題なくつながっていた。

 

 数か月ほど実家の通信状況を確認したところ、毎月20ギガちょっとしか通信していなかった。

 ちょうど料金が高くなる境界線である。

 

 20ギガ以上通信するなら、たとえば私のように500とか600使っても、値段は同じだ。

 いくらでも使っていいと言っているのに、20ちょっとしか使わない。

 

 だったら30ギガのプランに置き換えてもいいな、と判断した。

 そこで節約のため、実家の回線は月30ギガのプランで契約しなおした。

 

 

 翌月からだ。

 月末、毎月のように苦情が届くようになったのは。

 

 つながらない、と。

 答えはそう、容量超過だ。

 

 一応、予備回線としてpovoを準備していたので、そちらに切り替えてはいる。

 なので実用上の問題はあまりないのだが、正直この親の態度にはイラッときている。

 

 いくらでも通信していいよ、と言っているときは20ちょいしか使わない。

 今月からは30ギガまでだよ、と言ったとたんに30ギガ以上使いだす。

 

 なんなんだ、こいつら。

 もしかして、いやがらせされているのか?

 

 1年プランで30ギガ契約してしまったので、終わるまで超過分はpovo運用になるが、来年からは50ギガプランに変えようと思う。

 さすがにそれ以上は使えないだろう……たぶん……そのはずだ。

 

 

 それにつけても、きょうの結論は「乗り換えよう」だ。

 べつに楽天を推奨するつもりは微塵もないのだが、環境によってはそれが適切な場合もある。

 

 通信にしろなんにしろ、契約を見直すというのはとても重要だ。

 光回線でも携帯電話でも電気でもガスでも水道……は難しいが、ともかく漫然と使いつづける人々というのは、商人のいいカモになっていることを自覚すべきである。

 

 商人は、世のアホどもから吸い取った利益を自分たちで分け合いつつ、余剰を乞食にふりまく。

 それがかつてあった「ケータイ乞食」の時代だ。

 

 乗り換えてナンボですよ、という狂った時代。

 毎月コツコツと支払っている人々が、乗り換えて高額キャッシュバックをもらう人々のための原資を負担している。

 

 商人の言い分は、だってアホどもの貢物を自分たちだけで分け合うのは不公平だし、よそもやってるし、だからキャッシュバックしちゃうよと。

 結果、当時の菅総理がブチ切れて、携帯業界の官制改革にいたった。

 

 まともに料金を払っているのがバカらしくなった私も含めて、多くの人々が正気を失っていた。

 さすがに現在、それほど狂ってもいられない時代にはなったが、多かれ少なかれ基本は変わらない。

 

 

 賢い消費者になって、商人の利益をすこしでも削りたい。

 そんな欲求のために脳を費やすことで、形而上学的妄想にふける自分を、すこしでも正気にもどしてやれる気がする。

 

 魂、世界、神。

 そういう答えのない迷宮について考えた数分後、お買い物のポイント付与率について計算したりする。

 

 私は本来、お金などというケガラワシイモノのことなど、考えたくはない。

 そういう性根の人間にとって、「節約」や「経理」の仕事で年末調整や確定申告の作業などに意識を集めるのは、バカバカしいと思う反面、じつはいいリハビリになっている。

 

 お金は大事だが、それはいちばん大事ではない。

 バランスをとりながら、それでも好きなことを考えて生きられる時間が、私にとっては最重要だ。