けっこう最近まで、パソコンのメモリなんて4GBもあればじゅうぶんだろ、と思っていた。
 PC版のストリートファイター5(SFV)を買ったころの話だ。

 さすがに最低動作条件以下なので8GBに増設はしたが、他のもろもろの条件から、まともにプレイできなかった。
 縁がなかったということだな、と放置していたが、最近新しいPCを買った。

 細かいスペックを書くつもりはないが、だいたいPS5と同等らしい。
 メモリは16で、グラボの内蔵が8なので、まあほとんどのゲームは動く。

 まともに遊べなかったSFVを動かしてみたところ、快適だった。
 しばらく遊んでみたが、あいかわらず昇竜拳が出ない。

 ある程度ゲームを進めないとガイルが使えない、というのもイラッときた。
 スト2時代から愛用していたのだが、使用可能になるまえに挫折してしまった……。



 さて、私はスマホにバンカーリングというものをつけている。
 送料込み300円の安いやつだ。

 スマホの裏に貼りつけて、リングで持ちやすくする雑貨。
 バンカーリングなんてダサい、という向きはあるようだが、年寄りはダサかろうがイケてなかろうが実用性重視だ。

 スマホなどという金属の板を、何十分も持ちつづけたら疲れる。
 リングに指を引っかけて持ったほうが、楽に決まっているのだ。


 そんなわけで愛用しているバンカーリングだが、調べてみるとさまざまな種類がある。
 個人的には、薄くて軽いものを使いたい。

 先に安いやつを使っていると書いたが、同価格帯で薄型を注文すると、まあひどい。
 すこし力をかけると外れるし、磁石のための鉄板も接着力が弱い。

 そこで最初のころは、同じサイズで高いものを買っていた。
 高いといっても二千円程度なので、たかが知れてはいる。

 が、けっこうハズレの割合が高く、ほどなく外れてしまうことが多かった。
 洗ってつけなおせると書かれていたが、なおさら接着力が弱くなる。


 バンカーリングの問題はほぼ唯一、接着力に尽きる。
 寝ながら指に引っかけてスマホを見ていると、力のほとんどは接着面の耐久力にかかってくる。

 少ない面積で保持するには、より強い接着力が必要だが、斜めに力がかかることもあり、面積が小さい場合にはテコの原理でさらに強い負荷がかかる。
 われわれは「物理」の世界に生きていることを、あらためて考えさせられた。

 高くて小さくてスマートなリングをつけたくても、小さいという利点を追求すると上記のリスクを免れない。
 そこで安くてデカくてゴツい、バンカーリングの出番だ。

 でかい、というのを具体的にいえば、直径が倍だ。
 円の面積を計算するまでもなく、接着面積は4倍となる。

 小さいリングの接着力が高性能で、たとえ倍あったとしても、接着面積で完全にカバーできる。
 小型化が推奨される時代だが、大きいほうが有利なこともまだある。


 この手の商品には、必ず「当たりハズレ」がある。
 安いものはハズレが多く、高くなるほど当たりやすい。

 これはあらゆる商品にいえることだと思うが、確率の問題とはいえ、残念ながら「高い商品でハズレ」ることもある。
 比較的にショックがでかい。

 どうせ消耗品であることを考えれば、下手な鉄砲を数撃って当たりを待ったほうがいい。
 これはそういうタイプの商品だ、と判断した。

 そこで送料込み300円。
 これまで機種変するときはリングも新しいものに買い替えていたが、接着面積が大きいので両面テープで代用してみたところ、剝がれない。

 やはりゴツさというのは、それだけでパワーなのだ。
 大事なことなのでもう一度言う、われわれは「物理」の世界で生きている。



 ストリートファイターの6が出たらしい。
 まだプレイしていないが、そのうち暇になったら手を出してみようと思っている。

 たまに動画では観るのだが、けっこう女子が増えているな、という印象を受けた。
 コンプライアンス重視のご時世、さすが世界企業カプコンだ、などと考えながら女子の奮闘を眺めている。

 小柄な幼女(たぶん)が、ブーメランを手に戦っていた。
 武器を手にしているとはいえ、どう見ても弱そうだ。

 格闘技が体重別になっているのは、なぜか。
 バンカーリング同様、ゴツいということは、それだけで有利だからだ。

 しかし物理法則を超越したゲームの世界では、きゃしゃな少女が筋肉ムキムキの男たちを、つぎつぎとブッ倒している。
 小柄な女の子も、格闘ゲームとマンガの世界だけは、マッチョムラムラの大男に勝てることになっている。

 そういうファンタジーは、あっていい。
 私もそろそろ、ガイル以外のキャラを使ってみようかと思った。

 ちなみにスト6では、モダン操作というものが追加されたらしい。
 ボタンひとつで昇竜拳が出るのだという……。