世間は台風らしい。
 いつものように部屋でポチッている引きこもりには、あまり関係ないが。

 あるストアの「詳細説明」に、ちょっと笑った。
 ブランドにとらわれないニューベーシックな時代にフィットしたウェアを、オールウェイズ・グッド・タイムのフィルターを通してバイイングします!

 もうちょっと日本に住んでから商売したらどうかな大柴さん。
 いや言いたいことはわかりますがね……。


 それとは関係ないが、すこし前、とある商品を買った。
 平日火曜日の早朝に注文したが、丸3日、つまり金曜の昼になっても発送の連絡がこなかった。

 サイトには、1~2日以内に発送(土日祝除く)、と書いてある。
 発送連絡をしていないだけだとしたら、遅くとも4日後には届くはずだが届かない。

 もちろん発送していないので、連絡もしていなかったというのが事実だ。
 つまり「だまされた」。

 私は被害妄想気味なので、こうなると鬱状態だ。
 ひとをだまして平気な顔で高笑いしている商人の邪悪な顔が、脳内を満たす。

 げらげらげら、あいつまだ待ってるよ、サイトに書いてあること信じて待ってるよ、アホづらさらしてやがんな、だまされる顔だよあれは、バカなの、死ぬの?
 こちらを指さして嘲笑する商人。

 だまされるほうが悪いんだ、というメンタリティの世界はショーバイ商売。
 そんな店に注文した私の責任もゼロではないと思うと、相乗効果で被害者意識も増していく。


 何事も経験なので、たまにおもしろそうな中華アイテムを買うことはある。
 中国からの発送なので時間がかかる旨、サイトにも書いてある。

 理解したうえで購入している以上、数週間待たされることは、それほど苦にならない。
 そもそも急ぎで必要なものを、中国から買おうという発想がない。

 そういう商品が忘れたころにやってくるのはいい。
 が、何日以内に発送と書いてあるにもかかわらず発送しないというのは、許しがたい。

 言ったことはやる、できないことは言わない。
 これは社会的生物であるヒトとしての基本だ、と考える。


 とあるスーパー系量販店の通販部門。
 ケース販売をしていて、まあまあお安い。

 すでに10回近く利用している。
 そのうち2回、こんなことがあった。

 500mlのチューハイを買ったところ、350mlが届いた。
 乾麺を2箱買ったところ、1箱が微妙にサイズの小さいほうだった。

 前者は見てすぐわかったので連絡したが、後者は一見、箱のサイズが同じに見える。
 よく見ればちがうのだが、そのまま適当にストックに積んでしまったので、気づくのが遅れて連絡しようがなくなった。

 いずれの場合も差額は数百円程度で、まあいいかと受け入れられはした。
 惜しむらくは、まだまちがって大きいほうのサイズが届いていないことだ。

 商品管理がしっかりしているのかいないのか、たまには顧客が有利になるミスもしてもらいたいところだが、そのチャンスはあまりなさそうだ。
 だいたい大きいほうがコスパがいいので、小さいほうを注文しないからである。


 商人の蛮行は、もちろん通販にかぎらない。
 たとえばコンビニのサンドイッチ具が少ない問題。

 客から見える部分だけ具を詰め込んで、あとはスカスカという例のやつ。
 いまにはじまった話ではないが、それだけに解決していないこと自体が問題だ。

 それまで日本人を100%信じていた、という外人のツイートなども話題になった。
 なかなかキレのいいジョークだが、笑えない自分がいる。

 いうまでもなく、これも一種の「ダマシ」だ。
 この手の「商人」っぷりにヘドが出る私は、コンビニで食べ物を買うという愚策をとらなくなってひさしい。

 コンビニが平気で「客をだます」行為をつづけている以上、その利益に資するのは詐欺の助長に等しい、くらいに思っている。
 生活防衛の最適解は「コンビニを使わないこと」だと、どこぞの経済評論家も言っていた。


 個人的に敵視しがちな「商人」だが、全員が敵ではもちろんない。
 敵か味方か、その指標としてもっともわかりやすいのが「価格表示」だろう。

 もし「税込み」価格だけを表示しているなら、顧客目線で必要な情報のみ提示しているとわかるので、黙って買ってよい。
 もし税抜き価格と税込み価格を「併記」していたら、その「表示の大きさ」を見比べてほしい。

 よほど特殊な事例で税抜き価格を必要とする経理等以外、必ずとられる消費税を含めた総額を「わかりやすく表示」するのは当然だ。
 法律でもそう決まっているが、数字の大きさそのものに規定はない、という法律の文言ギリギリに絡みつくような商人が、おそろしく多い。

 顧客にとっては「支払う価格」を大きく、わかりやすく書いてもらえたほうが、利便性が高い。
 しかし、国などに消費税を徴収されたあと「自分が受け取る金額」を大きく表示しているとしたら。

 そう、その商人は「顧客より自分を優先します」という、公然たる闡明とみてよい。
 個人的には、これほどわかりやすい指標はないと思っている。

 見比べて「税抜き」価格が大きければ大きいほど、それは「自分優先の商人」。
 げんなりするほど、そういう店が多い。

 べつに自分を優先するなとは言わないが、だったら「サービス」とか「ご奉仕」とか、真逆のワードを使うのは控えてもらいたい。
 自分自身にご奉仕、とでも書いてくれればまだ笑える。


 人間のやることなので、ミスはしかたない。
 単純ミスや誤字脱字、ちょっとしたキズ程度なら、まあ受け入れられる。

 ゆるせないのは、公然と「だます」ことだ。
 あたかも通常業務のごとく、「わざと」優良誤認を誘う商人。

 大手サイトでさえ、平然とまかり通る詐欺的商法。
 このヘドが出る連中との戦いに、終わりは見えない。