ウクライナの反転攻勢が勢いを増しているようだ。
ニュースを見るたび、人類のバカさかげんを思い知る。
最新情報は随時更新されるが、ここでそのいちいちを評価する意思も能力もない。
ふりかえってみればまちがっていた、という評価判断も往々あるだろう。
今回はその過ちの世界へ、さらに一歩踏み込みたい。
ようこそ、陰謀論の世界へ。
戦争はたしかにバカな行為だが、人類史上なくなったことはない。
人類は戦争をしたがる愚かな種だから、という結論に飛びつくまえに考えよう。
ほとんどの人類は、戦争なんかしたくない、という前提に立ってみないか?
それでも戦争が起こるのは、なぜか?
戦争で儲けたい人々が煽っているからだ。
世界は武器商人が動かしている!
陰謀論レベル1は、まあこの程度だろう。
小学生でも思いつく動機と背景にもとづいて、理解はしやすい。
では、具体的にどうしたらいいか。
ここから少々、頭をひねっていく必要がある。
上記の前提なので、人類は基本的に戦争反対という世論で固まっている。
その潮流に逆らい、戦争を起こすためにどうするか?
たとえば陰謀の黒幕には、「日本に戦争を起こさせる」という成功体験がある。
ドイツもロシアも、ロジックとしては同じだ。
危機を起こし、政治的、経済的に追い詰める。
アメリカは911を理由に戦争を起こした。
攻撃せざるを得ないように、手を尽くす。
「どうしたら攻撃させることができるか」、世界を支配する貴族は、いつもそのことばかりを考えている。
陰謀論レベル2は、具体的な過去の事例を踏まえる。
たしかにあらゆる事件には、陰謀論が豊かに色づけられている。
最新のシナリオが、ロシアによるウクライナ侵攻だ。
これについてももちろん、ある種のコミュニティで事前に「相談」がなされていた。
ここまでやれば、ここまでやります。
こうしたら、こうします。
ある程度までは決定事項。
そしてプーチンに提示した。
ここまでのダメージはこう、ここまでのダメージはこう。
「黒幕」たちの示唆は、つねに具体的だ。
西側では基本「悪役」にされているプーチンだが、彼がただの「俳優」だとしたらどうだろう。
じつは彼は、それほど戦争したくなかったのかもしれない、が。
礼はするからさ、プーチン、侵攻してくれよ。
この手のオファーがあった、とすれば。
攻撃してくれ、もっと争いを、戦争を起こして、人類を減らしてくれ!
というマグマのような意志に貫かれた世界貴族たちが暗躍して、今回の戦争が遂行されている。
いまや「地上戦」レベルの攻撃をできる国は、ほとんどない。
プーチンのカリスマを頼りに、どうにか引っ張り出した作戦が、今回の侵攻だった。
もちろんプーチンは困らない。
むしろ大儲けしている。
プーチンの家族や友達も含めて、一生どころか百生くらい楽に暮らせるメリットを享受させてやるくらいのことは、黒幕も約束するだろう。
代わりに、あまり彼らと仲の良くない国内勢力が割を食った。
黒幕が派遣した暗殺部隊とも協調して、プーチンなら処理できる。
陰謀論レベル2的思考を極めれば、それなりの映画にもなる。
そもそも滑稽な陰謀論だが、真相が隠されていないわけではない。
超レベル2陰謀論者の製作する映画には説得力があり、大ヒット疑いなしのブロックバスターにもなりうる。
それではご紹介しよう、レベル3の陰謀論を。
トンデモ映画に欠かせないガジェットが満載だ。
これまでのレベル(2まで)のやり取りで、世界が動いてしまう程度の生物なんだよ、きみたち人類は。
バカだよね、じゃあもう、きみたち以上の知性に任せたほうがいいよね?
人類にそう諦観させるためには、過去の愚かな歴史という「教材」だけでは足りない。
現在進行形で、自分たちが愚かであることを思い知らせてやる必要がある。
レベル3の「知性」がそう考えれば、このような侵攻を演出する動機になる。
それは人工知能かもしれないし、宇宙人かもしれないし、神かもしれない。
人工知能の研究者たちが言っているように、もう、ヒトの考えるレベルを超えてしまったAIに、すべて任せてしまったほうがいいのではなかろうか?
そう思わせるための最善手が、アフガンのブッシュやウクライナのプーチンという舞台だった……。
すべてが予定調和であり、仕組まれたシンギュラリティだったと人類が気づくのは、およそパラダイムのシフトが終わってからだ。
そんな人類の枠を超えた陰謀論こそ、エンターテインメントの精髄である。
人類のバカさかげんをあまり見せつけられると、それ自体に絶望したくなる気持ちはわかる。
頭がいい人間ほど、他のバカな仲間たちとの差が大きいことも事実だ。
こうして苦も無く地球を手に入れる、超知能。
あるいは宇宙人、もしくはすべてが神のサイコロ。
……オチの陳腐さは認めるが、おおかたその程度だ。
陰謀論など、しょせん暇つぶしなのだから。
ゆえに陰謀論って、ほんとうに楽しいものですね。
それではまた6日後にお会いしましょう、さようならさようなら。