新年あけましておめでとうございます。
 という記念の瞬間を、私というダメ人間は「大自然」動画を観てすごした。

 いつでも観られるものを、いつもと変わらずに観る。
 この寒いのに、わざわざ外に出る理由がわからない。

 さっき、ちょっとコンビニに行ってきたが、線路沿いに撮り鉄たちが雲集していた。
 この寒いのに、よくやるよ……。

 ドラレコが「緊急録画が開始します」と言っていた。
 べつに急減速もなんもしてねえだろ、田舎の土地がガタガタだからってバカにすんな、だいたい録画「が」ってなんだよ、録画「を」だろ、録画がなら、開始「されます」じゃないとおかしいだろ……。

 ぶつぶつ言いながら帰宅する。
 めんどくさいおっさんの年末年始は、動画三昧の日々にもどる。


 最近は、自然動物系のナショジオとかワイルドライフとかを、よく観ている。
 この世は興味深いことばかり。

 知的好奇心が刺激されたら、すぐに検索をかける。
 ヤギが出てきてまず思うのは、目が怖いんだよな、だ。

 なぜ怖いのか。
 瞳孔だ。

 あの横長の瞳孔、バフォメットじゃないか!
 というわけで、グーグル先生によると、人間は円、ネコは縦長、ヤギは横長、という特徴があるらしい。

 瞳孔の形から、肉食、草食、雑食がわかるというわけだ。
 なるほど、生物とはロジカルだな、と感心する。

 その生存目的に対して、特化した能力をもっている。
 たとえば肉食動物で夜行性のネコは、雑食の人間と比較して大幅な「光量差」に対応できる。

 人間も暗いところでは瞳孔が開くが、その差は15倍程度。
 一方ネコは、縦長に細まることで最大135倍まで調節でき、暗闇では多くの光を集めることができる。

 ヤギの瞳孔が横長なのは、草食動物が広く周囲を見渡すためだ。
 しかも顔の横についているため、ほぼ360度、周囲を見渡すことができる。

 ヒツジ、シカ、ウマなどにも共通しているが、ヤギ以外は虹彩の色が濃いので全部黒く見え、目立たない。
 ヤギは明るい褐色のため、横長の瞳孔がよく目立つ。

 なるほど、なるほど。
 ものすごく納得した。


 そんなこんなで、2022年。
 横長のウシ年の瞳孔から、縦長の寅の年へ。

 寅年である。
 猫年ではない。

 ネコが干支にはいっていないことに、苦言を呈する人々がいる。
 愛猫家の偏愛を中心に、ときおり耳にする訴えだ。

 ネズミにだまされたとかエピソードがついているおかげで、うまくいけば入れてもらえたのに、という思いがあるのだろう。
 いまからでもネコ年を追加しろ、と叫ぶ冗談も毎年どこかで耳にする。


 私の見解を述べよう。
 ちゃんちゃらおかしい、去れネコよ!

 と、あえて彼らにケンカを売ってみる。
 きみたちはまちがっている、と。

 すでに口にエサが半分はいっているのに、満杯まで入れろと要求しているようなものだ。
 このうえ猫年を追加しろなど、己が分限をわきまえない、生意気な発言である!


 理由を述べよう。
 まず、冷静に考えてほしい。

 ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い。
 ネズミ目、ウシ科、ネコ科、ウサギ科、ドラゴン科(?)、爬虫類、ヒツジ科、霊長目、鳥類、イヌ科、イノシシ科。

 どうだろう。
 すべて別の科であり、なかには爬虫類や鳥類レベルでざっくりまとめられている種族すらある。

 ところでトラは、もちろんネコ科だ。
 すでに十二支に、ネコ科ははいっているのである。


 もし、同じイヌ科のオオカミとかタヌキとかがはいっていたら、ネコを入れろ、と言い出すのもわかる。
 だが、他の種族はみんな、おおむね「大きな科の代表」として参加している。

 ネコ科代表で、ちゃんとトラもいる。
 にもかかわらず、ネコを入れろとは……口幅ったいとは思わんかね?

 己が分限をわきまえない、傲慢な物言いをしがちなネコ派の諸君。
 きみたちの「ネコを入れろ」は、ほんとうに生意気だ!

 大国アメリカだって、国連では1票だというのに。
 ネコ国だけには2票よこせ、とな?

 おこがましいとは思わんかね!
 これだからネコ派は度し難い!


 ……という、飲みの席で駄弁るレベルの小理屈をこねてみた。
 みんなが酔っていれば、なんとなく論破した気になれるかもしれない。

 ネコ派の諸君は、ネコをネコとして単独でエピソードにしてもらっているだけで、すでに恩恵なのだということを理解すべきだ。
 ほとんどエピソードのない種族だっているというのに。

 自分が恵まれているにもかかわらず、もっと恵め、なぜなら俺様だから、という態度の人々をたまに見かける。
 そういう愚劣な種族に堕することだけは、なるべく避けていただきたいものだ。


 ちなみに私は……。
 ……イヌ派である。