至仏山 シブッツァワの 三字が源

至仏山の登山口「山ノ鼻」

嵓(クラ)というのは岩又は岸壁の意で、頂上の西面がその趣を呈しているからである

至仏という名は東側の片品川方面の称呼であって、どういう意味か定かでない

寛文6年の「会津風土記」には至仏山、安永3年の「上野国志」には四仏山と記されているようだが、

この山には何ら仏教的な謂われもないし、里から遠い奥山であって、古くからお山参りをされてという話も聞かない

おそらく至仏は宛字であろう

この山の頂から北東へ流れ出る貉沢というのがある

これはムジナ沢ではなく、ムジナッツァワと呼ばれているのは、尾瀬沼の早稲沢がワセッツァワと促音に発音されているいるのと同様である

ベンチで昼食、靴ひもを解いて中の水を出した

私に友人でしばしば尾瀬へ訪れたことのある田辺和雄君は、ある時土地の人がムジナッツァワをシブッツァワとも呼んでいるのを聞いた

シブッツァワは渋沢であって、山ではよくある

沢の名である

シブッツァワの最初の三字が至仏となったのではあるまいか

そんな詮索はさておき、至仏山とはいい名前である

文字もいいし、発音もいい、文学的である

ビジターセンターで尾瀬ヶ原の学習

※深田久弥「日本百名山」参照