御神木を 倒せし台風 自然遺産

大阪府みどりの百選に選ばれている社叢

社伝によると、当社は白鳳元年(672)に創建されたとするが、神功皇后の時代に創建されたとも神武東征の際に始まるともいわれ定かではない

天平10年(738)の和泉監正税帳(『正倉院文書』)によると、聖武天皇から大鳥大社と共に1,300石の社領を賜ったという

『日本三代実録』によると貞観7年(865)に正五位下を授けられたとし、『類聚国史』によると貞観10年(868)に従四位下を授けられたとする

元弘元年(1331)には、楠木正成が当社に石燈籠を奉納している

鎮座から1350年、歴史ある泉穴師神社の境内にあったひときわ大きな御神木が、台風によって根こそぎ倒木した

この御神木の姿と「穴師の森をさらに後世まで残していきたい」という第四十七代宮司の想いをうけて「穴師の森プロジェクト」が立ち上がりました

遠くからでも一目でわかるほどの背の高い木々は、神社のシンボルともいえる「穴師の森」の楠の大木群

「穴師」の名は、諸説ありますが、泉州の土木技術の集団であり、池や溝の工事の専門家である「穴師氏」が由来だと考えられています

また、「穴師」は古語の「あなじ」もしくは「あなぜ」と呼ばれており、戌亥から吹く風、現在の北西の風という意味もあります

北西風はこの地域では浜風にあたり、関西の船乗りからはこの風が吹くと海が荒れると恐れられていたそうですから、それが神様を連想させ「あなし」と名付けられたのかもしれません

平成30年の台風21号(最大瞬間風速61.1m/s)による強風で倒木した大木(御神木)で、現在もそのままの形で穴師の森に「自然災害遺産」として残されている