惜しむとて 惜しまれぬべき此の世かな 身を捨ててこそ 身をも助けめ

西行が出家する際に詠んだ句

奥千本「四方正面堂跡」から西行庵方向

奥千本で一番桜がきれいなところです

西行が棲んだ頃はどんな景色だったろうと想像しながら歩くのも楽しみの一つです

20年ほど前に訪ねたときは杉林でした

西行が吉野山入りした平安末期の奥千本には桜がいっぱいあったのだろう

とくとくと落つる雫の苔清水汲み干すまでもなき住処かな・・・西行

西行の足跡を慕って訪れた松尾芭蕉の句
「露とくとく試みに浮世すすがばや」・・・芭蕉

出家の際に衣の裾に取りついて泣く子(4歳)を縁側から蹴落として家を捨てたという逸話が残る

平俗にして気品すこぶる高く、閑寂にして艶っぽい歌風が後鳥羽院の歌風と共通するといわれる

後鳥羽院御口伝に「西行はおもしろくてしかも心ことに深く、ありがたく出できがたきかたもともにあひかねて見ゆ。生得の歌人と覚ゆ。おぼろげの人、まねびなどすべき歌にあらず。不可説の上手なり」とある