<雨中嵐山>
雨の中を二度嵐山に遊ぶ
両岸の青き松に いく株かの桜まじる
道の尽きるやひときわ高き山見ゆ
流れ出る泉は緑に映え石をめぐりて人を照らす
雨濛々として霧深く
陽の光雲間より射して いよいよなまめかし
世のもろもろの真理は 求めるほどに模糊とするも
模糊の中にたまさか一点の光明を見出せば
<雨後嵐山>
山あいの雨が通り過ぎると
雲がますます暗くなり ようやく黄昏が近づく
万緑に抱かれて一群の桜は
うっすら赤くしなやかで
人の心を酔わせるほど惹きつける
高きに登り遠くを望めば
青山は限りなく広く
覆い被された白雲は帯のようだ
あまりの稲妻が ぼんやり暗くなった
都市に光を射す
(1919.4.5) 訳:蔡子民先生
