人生山あり時々谷あり・・・田部井淳子
<人生を変えた山との出合い>
福島県の三春町の田村高校を卒業した後、東京の女子大に進学したのですが、心の中は「自分は田舎者だ」という劣等感でいっぱいでした
11月17日15:20分、藤内壁取り付き部分
福島訛が恥ずかしくてたまらず、人と話すことができなくなったのです
岩塊
大学を休学して実家で過ごし、安達太良山の麓にある岳温泉で静養しました。一人で湯治するうちにきづいたのは、「大学に戻るのが一番楽な道」だということでした
崩落地迂回路を下りる
3ケ月振りに復学した私をクラスメートは歓迎してくれました。そして奥多摩の「御岳山」に誘ってくれたのです
本来の登山道は左岸谷筋にあるようだ
東京はビルばかりの大都会だと思っていたので、「東京に山がある」こと自体も驚きでした
ロープが張られ立ち入り禁止です
「東京周辺の山々」という本を買って読んでみると、都内には登山が楽しめる山がたくさんあることが分かりました
ズームアップ
10歳の時に感じた好奇心に火がつき、友達と「次はこの山に行ってみよう」と計画しては、月1回のペースで山登りするようになりました
広角に戻します
山登りには、計画する楽しみ、実際に登る楽しみ、下山後に検証する楽しみの3つがあります。一度の登山で3回楽しめるわけです
風化を物語るガレ石
しかも山登りにはお金がかかりません。道具さえ揃えてしまえば、必要なのは目的地に行くための交通費だけ
ススキと伊勢平野
500円あれば丹沢山まで、1000円あれば谷川岳まで。お金をかけず丸一日楽しめて、山に立つ達成感を味わえるのですから、お金のない学生にはありがたい限りです
登山パーティは助け合いです
行く先々で人々の親切に触れますます登山が好きになって行ったのです
添乗ガイドさんがサポート
登山という目標ができたことで大学生活にも張りができて、勉強や琴の練習を一生懸命やるようになり、関心の幅も広がって、色々な分野の本を読むようになりました
転んだら大けがをする場所が続いています
「人が行かないような場所に自分は行ったんだ」という思いが自信となって、人と話すのも怖くなくなりました。山は、慣れない東京で劣等感に苦しんでいた私を癒し、自信を取り戻させてくれたのです
赤文字は、田部井淳子著「人生山あり時々谷あり」より抜粋











