「人生山あり時々谷あり」・・・田部井淳子

<人生を変えた山との出会い>

山登りがきっかけで劣等感克服

11月17日15:11分、藤内壁

まだ見たことのない景色を見たい。その思いに突き動かされるように、私は山登りを続けてきました

迫力のある花崗岩帯が続く

その原点となったのは10歳のときの体験です

小学校4年生の時、担任の先生が希望者を募り、栃木県の那須山系の茶臼岳と朝日岳に連れて行ってくれました

予備知識なくて最初にこれを見た人は驚愕しただろうな

初めての登山は驚きの連続でした。それまで緑の山しか見たことがないのに、砂と岩だらけの火山に登ったのですから

谷間はすっかり日陰です

見るもの聞くものすべてが新鮮で、何もかもが「生き授業」でした

北谷上流を振り返る

山登りに魅了されたもう一つの理由は、「他人と競う必要がない」ことです

隊列を整えるため立ち休憩

運動は大の苦手。先生に「ゆっくりでいいからね」と言われて、気持ちがスーッと楽になりました

伊勢湾

ひと足ごとに変わっていく風景を見ながら、ついに頂上に立ったときは、「やった!!」という思いでいっぱいでした

岩にそれぞれ名前が付いている。中尾根パットレス、一の壁、フランケ、ボルダー、砦岩など

こんな高いところまで登ってきたという達成感。運動が苦手な自分でも山頂に立てたという満足感

クライミングには、ハーネス、カラビナ、スリング、ロープ、クライミングシューズなどの装備が必携

この時の感動が「、「知らないとことに行ってみたい」という私の好奇心に火を灯しました

クライマーはこの壁を登る

もし、初めての登山が辛く苦しいものだったら、私は山が嫌いになっていたでしょう。先生が山の魅力を教えてくれたからこそ、私は山と「出合う」ことができたのです

崩壊地迂回路

本格的に山登りをすることになったのは、大学に入ってからのことです

きっかけは「心の病」でした

藤内壁をもう一度、目に焼き付けました

赤文字は、田部井淳子著「人生山あり時々谷あり」より抜粋