人生山あり時々谷あり・・・田部井淳子

<不協和音を乗り越えるリーダーシップ>

エベレスト遠征の際、報道班男性8名が同行していました

14:55分、右手に藤内壁を見上げながら下山

女性だけの登山隊に男性が交じれば、やはり空気も華やぎます

険しさが増してきます(中尾根パットレス?)

隊員は夜八時半には就寝する決まりでしたが、報道班と夜遅くまでおしゃべりをする隊員が出てきました

展望のよいガレ場

もう寝る時間ですよ~。「せっかくリフレッシュにているのに」と不満が出ます

ド迫力(前尾根)

ところが、同じことをカメラマンに言わせると、「は~い」と返事をするのです。女性隊に男性が交わることの難しさを実感させられました

崩落を繰り返した痕跡

報道班のテントに行くのはいいけど、就寝時間はちゃんとも守ってね、私たちは遊びに来たのではない

雨の日には近づかないことですね

最終目標は、全員が安全に元気でベースキャンプに戻ってくること、と繰り返し、隊としての意思統一を図ろうとしました

巨岩もゴロゴロしています

この時の登山隊の陣容は、隊員15人と報道班8人、シェルパ―40数人の総勢60余名

伊勢平野、伊勢湾へと注ぐ

ところが男女のいるところには、揉め事がついて回るもの

四日市、菰野町を見下ろす

登山隊のメンバーの一人が報道班の男性と仲良くなり、その男性の愛用しているスカーフを彼女が巻いていたのです

城塞だ

「何なの、あの二人はッ!」と、にわかに騒ぎが勃発

カメラでは臨場感が伝わらない

事態の収拾に乗り出した私は、「私たちの最終目標は、山に登ることだよね」と何度も強調し、いきり立つ隊員たちをなだめるのに必死でした

スリリングな光景です

好からぬうわさを聞いても「それがどうした?」と受け流し、「私たちは登りに来たんだからね」と、念を押す。細々と干渉はしないが、登頂に影響を「及ぼす危険があると判断すれば、決然と動く

赤文字は、田部井淳子著「人生山あり時々谷あり」より抜粋