般若心経を生きる・・・村田兆治⑧

だから、無心にならなければならない。私が『般若心経』から学んだ「無」とは、この無心のことであった

書材は布で、皆さんに端を引っ張ってもらい、空中書きです

私は右肘の手術をしてから、60勝挙げている。まさに痛みの代償としての60勝で、投手の体として手術前に比べて明らかの劣っていた

世界遺産、大峯奥駈道、金の象形文字は事前に書き上げたものです

それでも60勝もできたのは、無心のおかげだったと確信している

当初は、釈迦ケ岳山頂で書く予定でしたが、雨が降る恐れがあり、変更しました

苦しみの極致で見た「空」の世界

『般若心経』は「空」の思想を説いているお経だということもよく言われる

この場所で書き上げたから値打ちがあるのです

「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識 亦復如是」は『般若心経』の中でももっともよく知られている一節である

役行者を筆頭に多くの修験者が修行した峯中の聖地「深仙ノ宿」

「色は空に異ならず、空は色に異ならず。色は即ち是れ空、空は即ち是れ色なり」というのは「色」と「空」の関係について説かれている

皆さん、それぞれのカメラに収めておられました

それに続く「受 想 行 識もまたかくの如し」とは「色」と「空」についていわれたことは「「受 想 行 識」についても同じであるということを意味している

乾かす間がありませんので、新聞紙を巻いて持ち帰りました

その前に「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄」とあり、「観自在菩薩が深い智慧の完成のための行を実践していた時に、五蘊はすべて空だと見極めて、一切の苦悩や災厄を救った」と訳されている

12:50分、灌頂堂前で

ここでいう五蘊とは何かということだが、「色 受 想 行 識」のことを指す。色は肉体、受は感覚、想は想念、行は意志、識は知識をそれぞれ意味している

雷鳴にびくびくしながら太古ノ辻まで来ました。下山優先、もちろん休憩はありません

背後は大日岳

青文字は、1993年11月号「プレジデント」より

to be continued