般若心経を生きる・・・村田兆治②

生活のバックボーンとして、一般の家庭にも自然に宗教が存在していたという感じである。そんな父は、私が右腕の手術をした後のリハビリの最中に亡くなった

神變大菩薩「髭塚」

和歌山県の白浜で温泉治療中だった私が、広島の実家に駆けつけたとき、父の意識は混濁状態だった

役行者が亡くなるとき子弟に贈った髭を埋めたとされる場所

しかし、私が手を握ると、一瞬意識を取り戻して「兆治・・・、お前・・・、この腕、持ってけ・・・」と呟いて、息を引き取った

明徳講、小仲坊、森本坊の名が刻まれている

「もう一度必ずマウンドに立つ」という思いを新たにしたことは言うまでもない

灌頂堂:役行者、不動明王、八大金剛童子を祀る

正直言って、父と面と向かって何かを話し合うという機会は、ほとんどなかった

9:27分、深仙ノ宿を出発

ただ、臨終の際のあの言葉で、私は、私の絶望の日々に、父も一緒に闘っていたことを理解した。以来、私はいつも父に語りかけながら人生を歩いている

笹原帯を登る

私の趣味は読書である。現役時代もそうであった。プロ野球選手、中でも投手というのは一種の肉体労働者で、練習と試合で一年中、体をいじめ抜いている

台高山脈は雲に隠れていた

靡39極楽ノ「都津門」という胎内くぐり岩がある

疲労回復のためには何より休養、睡眠が重要で、読書はその妨げとみなされたり、なまじ本を読んでよけいな理屈を考えるようになると、チームの輪を乱すと考える風潮があった

間隔が開くと立ち休憩で調整します

私は、プロ野球の選手といえども、いろいろな社会の人々と接するわけで、ある程度の常識を身につける必要があると思って本を読んでいた

千葉県から来られてという69歳のM・K氏、とてもお元気です。前日、川上村の「白屋岳」に登り、明日は石川県の白山へ移動すると話されていた

特に遠征に出た移動日の車中では、本は欠かせない。いい気分転換にもなる

笹原の深いところは胸の高さまでありました

和洋を問わず、ジャンルを問わず幅広く目を通すように心がけているが、私の場合には、そういう一般的な意味での読書を超えて愛読している書がある

ミヤコザサの小道

宮本武蔵の「五輪書」や「全仏教論集成」といった宗教書、それに書とはいえないかもしれないが、「般若心経」もその一つである

後から、まだですか?と声がかかる。そのたびにあと少し、と励ましの声をかける

青文字は、1993年11月号「プレジデント」より

to be continued