般若心経を生きる・・・宮坂宥勝⑪

現世利益を機縁として、仏道に進むのである。仏道が得られた上に、さらに宗教的な霊妙不思議な力が呼び起こされなくてはならない

閼迦坂峠からは急坂を下ります

このような理解の仕方、受け止め方は、空海以後、少なくとも江戸末期までは主流をなしていたと思われる

ヒメシャラ

それは、中国とわが国を合わせて312部にのぼる心経に関する現存する著作によって知ることができよう

旗手はS・Y氏

このうち2,3部程は明治以後のものであるが、「般若心経秘鍵」の註解書は実に50部にものぼる

金剛杖に耀君を括り付けています

全体のほぼ六分の一に相当するということはほとんど全く知られていないが、驚くべきことである

脇道に入り込むと遭難する危険があるので注意が要ります

平安末期の覚鑁は真言宗中興の祖といわれ、さきに触れたように「般若心経秘鍵略註」がある

4班制をひいています

その書き出しにも心経の秘鍵すなわち秘密を解く鍵とは、一つには般若経の蔵すなわち空の教えを開くのであり、二つには秘密の蔵、密教の仏の世界の秘宝を授ける教えの鍵のことであると説き示している

感覚を空けないように常に後ろに注意しています

覚鑁もまた、たんなる空の教えを示す経典ではないと解していたことが知られよう

崩落現場

筆者は今から50年前に恩師高神覚昇先生から、心経を講説していただいた

巻き道を通ります

「般若心経講義」は、すでに古典的な名著になっている。先生は「舎利子よ。色は空に異ならず、空は色に異ならず。色はすなわちこれ空、空はすなわちこれ色なり」の一節を、「舎利子見よ色即是空花盛り」一句で示された

崩落現場に掛けられた鉄梯子

また、般若波羅蜜多の咒の含意するところを、「渋柿の渋さそのまま甘味かな」の古句で教えられた。心経こそ、日本人に1千年以上に亘って読み継がれてきた永遠のベストセラーである

後ろの4名は1班です

終わりに、筆者が解釈する般若波羅蜜多の咒(真言)を掲げる。通途の解釈と異なることをお断りしておく

「行き、行きて、彼岸に行き、彼岸に共に行きて(かくして)悟り(は成就されたり)。めでたし

鎖場もあります

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶

下見の際、鉄梯子を見失い難渋しました( ;∀;)

大峯でよく聞く話ですが、同じところを何回も何回も歩いていた、どうも狐につままれていた様だ(不思議な現象)

青文字は、1993年11月号「プレジデント」より