般若心経を生きる・・・加藤湘堂⑧

良寛の有名な書に「天上大風」と書かれたものがあるが、その字には、ちゃんと押さえてはねるといった書法もない

7月30日18:03分、恩師宅(93歳)を出て名舟港の夕暮れを撮った

この書には、子供が凧をつくる紙にしたいから字を書いてくださいと頼んだ時に、よしよしと書いてやったという逸話が残されているが、良寛の真筆であることは間違いない

浸食で砂浜が失われていたが、復活してきている南志見海岸

良寛は、先天的に非常に優れた書の美意識、天性の慧眼をもって生まれた人であると思う

採砂をやめ堤防などで保護することによって砂浜が復活した

しかし、こういうと矛盾しているようだが、ひどく不器用であった。その字は、点画も形も定まらない金釘流である

実家の庭にそびえるタブの木

良寛の楷書の「般若心経」はあまりにも有名である。本号のプレジデントには、伝・空海の他にも良寛の「般若心経」があるので、それを見てもらうとわかるが、おおよそ習えるような字ではない

樹勢が落ちてきているので上部を伐採しています

子供よりひどい。これがうまい字か、そんなに偉いと騒ぐほどの字かと思うほどである

満94歳の父

朝から屋敷の掃除に余念がない。夕方は畑に水やりをしていた

この日も輪島市街へ車で出かけていた

「書家の書」「歌人の歌」「料理人の料理」という「良寛の三嫌い」はよく知られているが、要するに職業的なものを好まなかったのであろう

柳田温泉で汗を流し、祭りの宴会開始

女子は長風呂なので男子のみでカンパ~イ

書家の字というのは職人的に達筆かもしれないが、良さがない

19:42分、上里からの夕焼け

ものの究極においては、何でも「うまさ」より「よさ」である

ズームアップ

「よさ」においては並の人を寄せ付けないほど、良寛の字はいい

祭りの中心舞台となる総社「住吉神社」

うまく見せようよいう欲を超越し、形を超えたよさがある

輪島市指定天然記念物「クロマツ」、夫婦松であったが1本は枯死

上手さよりよさで人によく知られた書である

19:54分、祭りの開始を待つ村社「白山神社」

青文字は、1993年11月号「プレジデント」より

to be continued