般若心経を生きる・・・高田好胤⑭

「色即是空」でいえば利益(りえき)の追求が色(しき)であるとすれば、世間に利益(りやく)の恵みを施すを願うこと、これが空(くう)です

三重滝(みかさねのたき)まで2.3km

まずは御読誦を、そして写経を

「お経は、その文字を見るだけでも功徳がある」といわれます

行者の皆さまが修行に出た後の母屋

そのお経を、自分の声、また他人さまのお声で聞かせていただく読経には、さらに大きな功徳があります

宿泊棟に3人だけが残された

このお経を一文字一文字書き写す「お写経」の功徳、これはさらに尊いといわれています

朝を迎える石仏たち

いま薬師寺では、多くの方々にお写経をしていただくことによって精神の集中力を深め、あたたかい心の養いをお受けいただき、そのお写経の功徳を振り向け1300年前の白鳳時代の薬師寺伽藍復興へのお励ましとして頂戴しています

左右に8体ずつ祀られている

昭和43年から始まり、さらに51年に金堂、56年に西塔、59年に中門をさらに回廊など、このお写経勧進による白鳳伽藍復興の道は、まだまだこれからはるけくも遠い道です

行者堂のある中庭

ここに30名の白装束の行者が集った

完成はいつのことになりますことやら。20歳、30歳代には、修学旅行生への案内坊主でありました私は、昭和43年以来、ひたすら25年間、般若心経のお写経の勧進坊主です

法螺貝を吹き、真言を唱え、読経し、最後に般若心経を読誦した

厳かな勤行であった

カメラが手元にあったが、恐れ多くて向けることは出来なかった

お写経によってお堂が建ち、伽藍が復興することは2500年の佛教の歴史にも、極めて稀有なことでございます

行者堂前の広場

夜明け前から法螺貝の音が響き渡った

お写経によって磨かれいただいた昭和、平成の清らかな日本人の心の結晶が、白鳳時代の堂塔伽藍の佇まいとして、私どもの子孫がこれを喜んで受け継いでくれる

宿泊所、当日は借り切りです

東京から毎年見えられるという事業家の方です

これは昭和、平成の信仰と文化のロマンにご参加していただくということにもなるのでございましょうか

5:26分、東の嶺にご来光

多くの人々からお写経の呼びかけにお励みを賜っています

この時間、30名の行者の皆さんは垢離取場で水行をされているでしょう

このお写経を百八巻お納めいただいた方々に、簡単な輪袈裟をお送り申し上げています

夜明けとともに心身を浄めることは素晴らしい

すでに8500名のお方さまにお受けいただいています

トイレ棟

この中に3歳の童女でありました木村佳代子ちゃんが「かよこはつよい子になって泣かない子になります」の願いを込めて納めてくれて、10日後に4歳の誕生日をむかえました

役行者と前鬼&後鬼を祀る行者堂

青文字は、1993年11月号「プレジデント」より

to be continued

25年間、座右の書として大切に保管してまいりました