般若心経を生きる・・・松原泰道⑪
人は黙っていてもそしられるし、しゃべりすぎてもそしられるものであり、過去・現在・未来にわたって満場一致で褒められる人はいないし、またそしられる人もいない、ということをお釈迦様は説いているのです
6月2日14:28分、赤岳北峰・県界尾根分岐
明治の偉人、勝海舟が、人間に褒められても、そしられても、どうということないと「得意淡然、失意悠然」と言い切ります
赤岳頂上山頂小屋
長野県茅野市で八ヶ岳最高所の山小屋
得意のときも大きな顔もしないし、失意のときもしょぼくれてしまわない
眼下にこの日泊まる赤岳展望荘が見えた
それは、はたから見れば「不増不減」の状態なのですが、本人にとっては得意のときも失意のときもいずれにもとらわれず、それを超えて、失意、得意のときに徹していく。まさに「不」の心といえましょう
軒下には雪が残る
司馬遼太郎の『播磨灘物語』の主人公として有名になった黒田官兵衛は、「如水」と号します
北峰山頂方向
彼は、毀誉褒貶に惑わされず、雅号の示すように、心を常に水の如く清澄に保っていたのです
正面に地蔵ノ頭が見えた
明日は雲に隠れている横岳、硫黄岳を縦走する
第二次大戦後、A級戦犯に問われて刑死した広田弘毅は、日本の優れた外交官であり、政治家でした
同じくらいの火山岩がゴロゴロしていた
総理大臣にもなった大人物ですが、彼は若いころ、外務省の人事異動で、欧米局長からオランダ公使に左遷されたことがあります
阿弥陀岳の麗姿
友人たちは彼の非運を慰めますが、彼は辞令を受け取って少しも動揺しません
北峰から展望荘へ下山開始
むしろ、彼は友人を慰めるかのように、一首の俳句を作って示します
左は阿弥陀岳
「風ぐるま風が吹くまで昼寝かな」
西側は崖です
風車は、広田の新しい赴任地オランダの名物です。彼は、巧みに名物の風車をあしらって、「待つことのできる」人間に自分を成長させるのです
山では登り優先、譲る時は安全な方で立ち止まります
青文字は、1993年11月号「プレジデント」より
to be continued
将来読み直そうと保管していました











