あかねさすGoogle Earthに一切の夜なき世界を巡りて飽かず

北から南へ、山の峰から麓へと足早にやってくる紅葉前線

噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし

大人になりつつある自分に対する興味と怖れが「乱反射」の語に象徴される。「性愛」という古風な語を大胆に用いて、すでに堂々としたうたいぶりである

紅葉だよりの対象となるのはイロハモミジ

H・F氏が撮ってくれたものです

火の曜日みづの曜日に沈みゆく音を聞きつつ目をふかく閉づ

真紅

 

わたくしも子を産めるのと天蓋をゆたかに開くグランドピアノ

ぼかし

其ひとのうまれ故郷をぼくたちは風の離島と許可無く決めたり

枝分かれ

きみとの恋終わりプールに泳ぎおり十メートル地点で悲しみがくる

歓声を上げたくなりますネ

どこか遠くでわたしを濡らしていた雨がこの世へ移りこの世を濡らす

お気に入りの一枚

目に見えない場所を思うことで生の実感を探る

池畔

空間把握に独特な感覚あり、醒めた意識から繊細な抒情を汲み上げる

池に乗り出した紅葉

一回限りの生を刻印する言葉を意思的に研磨すること、それが短歌である

Y・S氏とツーショット

そしてそこに新しい詩性とアイデアを持ち込んでいるのが気鋭の若手歌人たちだといえる

陽を浴びて

伝統詩型は更新され続けているのだ

赤く染まる

伝統を踏まえつつ、清新な詠みぶりをみせる正統派の才能を生み出している

緑も見たくなる

 

青文字は、日経夕刊文化「気鋭歌人の群像」より抜粋