今日は衆議院選挙、朝一に投票して来ました。天気の関係か出足がいいようです!
日本百名山『焼岳』・・・深田久弥著より
島々からバスで上高地に入ろうとする時、釜トンネルを抜けると不意に目の前に、あたかもこれから展開する山岳大伽藍の衛兵のように、突っ立っているのが焼岳である
山耀会メンバーのY氏とM氏が、14日・15日土日を利用して焼岳登山をしてこられました。メールにて写真が送られてきましたのでご紹介いたします
雨は降らなかったようですが、山頂はガスに覆われ展望はきかなかったようです
焼岳北峰踏破(南峰は立ち入り禁止)
近来上高地はいよいよ繁昌して、登山地というより観光地となった。純粋登山派はさっさと素通りして山に向かい、レーン・コートに短靴の純粋遊覧派だけが、河童橋や大正池のほとりを散歩している。せめて焼岳へでも登れば彼等の上高地遊覧に大きな収穫が加わるだろう。半日で往復できる易しい山である
笹原と紅葉と岩と雲の四重奏です
5:30分、ヘッドランプを点け出発、2時間経過地点
よく知っている風景とは承知しながらも、いつも私はここで、初めての景色に出あうような新鮮な驚きを感じるのは、どうしたわけであろうか
左:岩稜帯を登る。右:岩場での昼食
10:00分、10分間の休憩で誰とはなく食事をする
焼岳は微妙な色彩のニュアンスを持っている。濃緑の樹林と、鮮やかな緑の笹原と、茶褐色の泥流の押し出しと、そういう色が混じり合って美しいモザイクをなしている。しかも四季の推移によって、そのモザイクも一様ではない。ある秋の晴れた日、焼岳はまるで五色の着物を着たようにみごとだった
左:下山の様子。右:眼下に梓川と大正池
あの形なども簡単に見過ごすただのコブにすぎないが、よく見つめると、岩や亀裂の工合が複雑な山容を作っている。学問の方では鐘状火山といって、類の少ない火山だそうである。こぢんまりしていて、足元からてっぺんまで山全体を一と目で見得ることも、北アルプスでは珍しい
溶岩の塊
旧焼岳小屋跡
焼岳は附近の群雄に比べたら、取るに足らない小兵かもしれぬ。だがこの小兵は他に見られぬ独自性を持っている。まず日本アルプスを通じて唯一の活火山である。頂上から煙が上がっている山はほかにない
蒸気が出ているのかガスなのか分かりません
下山開始、向かいの山は地熱もあり雪が降ってもすぐ溶けるそうです
それから小兵の分際で、梓川の風景を一変した。その爆発で大正池を作り上げたのである。人はよく「国破れて山河あり」という文句を引いて自然の不変を説くが、一挙にしてあの大きな変貌をおこした焼岳の潜勢力は偉大である
向かいは霞沢岳かな?
大正4年(1915)6月6日、焼岳は地震を伴って爆発し、頂上火口口から幅330㍍、深さ㍍余りの泥流を押し出して梓川を堰き止めた。池中に枯死した白樺が林立し、その水面に穂高が影を落とすという、ちょっと日本に類のないエキゾチックな風景を現出した。そしてその眺めは、絵葉書になり、白樺細工になって、今では上高地の最も代表的な名所となっている。河童橋と大正池は、アマチュア写真家のカメラから逃れることができない
崩落現場
がけ崩れ滑落に注意
その大正池も年月とともに浅くなり狭くなり、名物の白樺の立枯れも少なくなって、以前の面目を失いつつある。池はしだいに川に還元しつあるような感じを受ける。焼岳は表面穏和を装いながらも、次に打つ手を考えているかもしれぬ。学者の説によると、休止期に近づいた火山だそうであるが、最後の一あばれをして、また何か新しい風景を上高地に加えてくれるかもしれない。(後記。こう書いてから3年後、果たして焼岳は大爆発をした)
紅葉は見頃だったのようですね
焼岳の噴火は大正池の時が最初ではない。『善光寺道名所図会』はよく山岳誌家に引用される古い文献であるが、その中に「常に所々に烟立て、寒天に雪を置かず、麓に温泉湧出」と出ているところを見ても、かなり昔から噴火していたのであろう。焼岳という名前が何よりもそれを証明している
20段の梯子
先に降りた人は、中間地点で上に向け「どうぞ」と声かけする
私が初めて上高地に入ったのは、大正池ができた数年後である。山に関する限り物持ちのいい私は、その時使った五万分の一の『焼ヶ岳』図幅(その後「上高地」と変わった)を今も保存している。その古びた地図を見ると、噴火の大きい方すなわち今の焼岳には硫黄岳の名が付され、今の硫黄岳(中尾峠のすぐ東北にある約2100㍍峰)が焼ヶ岳となっている
梓川と穂高連峰
これは飛騨側の人々の呼び慣わしだったそうで、陸地測量部員がそれに従ったのである。ところが信州側の呼び方はそれと反対で、その方が妥当である。その後地図もそのように修正され、現在ではもはや焼と硫黄の位置は動かすことができないものとなった
紅葉と白樺
中尾峠まで登って、そこからの展望である。今まで見えなかった錫杖、笠、抜戸の連峰がすぐ眼前に展がる。特に笠ヶ岳の金字塔がこんなに立派に見える所は他にない。峠でゆっくり休んでから、崩れ易い急な山背を登って行くと頂上である。深く落ち込んだ噴火口に池があって、紺碧の水を湛え、その一隅から勢いよく湯気をあげている。まざまざと活火山という印象を強く受ける頂上である
無事上高地に下山。お疲れさまでした<m(__)m>
青文字は、深田久弥著「日本百名山」より















