ユリノミクス批判

結論から言うと、ユリノミクスは、とてもアベノミクスに取って代わり得るようなものではなかった

ノコンギク

 

第1に、あり得ないようなトンデモ政策が含まれている。代表例が内部留保課税だ。多くの専門家が指摘するように、内部留保(利益剰余金)は、企業内に取り崩せる塊として存在するわけではなく、投資に回しても、現預金で保有しても内部留保の額は同じである

紫はタカネマツムシソウ

「産業界が反対」「課税技術的に困難」というレベルの話ではなく、ほとんどあり得ない政策である

背丈は低いが大きな花

第2に、数字的な目安が全く示されていない。例えば、消費税増税を凍結する一方、歳出削減や国有資産の売却などによってプライマリーバランスの改善を図るとしているが、それがそれぞれどの程度の金額なのかが全く示されていない

八方池から唐松岳への稜線

また、ベーシックインカム導入という思い切った提案には、巨額の財源がいるはずだが、これも不明だ

これでは「言ってみただけ」の話になってしまう

雲海に浮かぶ白馬乗鞍岳

第3に、現実の政策運営では採用できない判断基準を示している。「実感」なるものがそれだ

白馬鑓ヶ岳

 

ユリノミクスでは、成長の実感が伴わない中での消費増税は凍結としていたが、その「実感」の定義は示されておらず、どうすれば実感を伴う成長になるのかの政策手段も不明である

タカネナデシコ

第4に、政策の決定プロセスと党内での議論の仕方にも問題がありそうだ

黄色はシナノオトギリソウ

手前の白い花=名前の分かる方教えて頂けませんか?

前述のように、専門家ならすぐに否定するような政策が含まれていたり、金額的な詰めが皆無であるということは、十分な党内議論を経ず、専門家のチェックも受けていないことを物語る

オヤマソバ:葉の方が目立ち花がかすんでいます

公党の政策決定プロセスとして大きな欠陥があると言わざるを得ない

八方尾根で最も大きなケルン

真に政権交代可能な政党が現政権に取って代われるような政策を打ち出すようになるためには、提案する側も論評する側も「どうせ野党の提案なのだから現実には採用されないだろう」という甘えを捨て、真剣勝負の政策論議を打っていく必要がある

遭難事故の慰霊塔として昭和59年に建てられた

与野党間での建設的な政策議論が深まるためには、与党だけでなく、野党が掲げる政策も、専門的な見地からの評価を受ける必要がある

いつかある日 山で死んだら 古い山の友よ伝えてくれ、母親には安らかだったと、男らしく死んだと、父親には

そうした観点から、今回の衆議院選挙で希望の党が打ち出した「ユリノミクス」と称する経済政策を評価してみよう(前文)

友よ山に小さなケルンを積んで墓にしてくれ、ピッケル立てて

青文字は、日経「大機小機」より

俺のケルン、美しいフェイスに朝の陽が輝く広いテラス

山に魅かれる裏側には、山が単に美しいだけではなく、山は常に危険性をはらんでいることもケルンが教えてくれます

青文字は、日経「大機小機」より