北アルプスで遭難男性
チョコで命つなぎ生還
5:45分、富士の嶺
8月10日、広島市の75歳の男性が新潟県から白馬岳へ。長野、富山両県にまたがる唐松岳を通過中の13日、足を滑らせ登山道から約10㍍下の沢に転落した
飯綱山1917m、戸隠山1904m
目的地の祖母谷(ばばだに)温泉まで約1.5㌔だった
黒姫山2053m、高妻山2353m、乙妻山2318m
ヘルメットで大けがは防げたが、崖が急で登山道に戻れない。携帯電話は水没し使用不能に。救助隊に見えるよう頭上が開けた場所に移動した
笹ヶ峰高原、妙高高原、妙高山2454m
山小屋に泊まる計画で簡易テントはなく、防寒は薄いジャケットと雨合羽が頼り。長袖シャツ1枚にロングスパッツと短パン姿で、食料はチョコレート12粒のみだった
飯綱高原、戸隠高原
「むやみに動いて体力を消耗するより登山道近くで救助を待った方が助かるかも」。半畳ほどのスペースにじっと座り続けた
西に目をやれな劔岳
日中は晴れて暑くても、雷雨や気温10度以下に感じる夜も。1日2粒のチョコと大量の沢の水で飢えをしのいだ
根子岳2207m?
家族のことが頭をよぎったが「何も考えずに冷静にいよう」。睡眠は坐ったままうたた寝で済ませた
5:55分、隊列を組んで出発
だが、ついに立てなくなり、夜には「きらびやかな極彩色」の幻覚も見た。もう危ないかもしれない
丸山
救助隊のヘリコプターの音が聞こえたのは翌朝。持っていた銀色の保冷バックを反射板にして、黄色のザックカバーを必死に振った
牛首
遭難から1週間後の8月20日、富山県警の山岳警備隊に無事救出された。チョコは食べ尽していた
北岳3193m?
男性は事故を招いた原因を「単独行、家族に知らせなかったこと、年相応でない計画」の3点を列挙
ズームアップ
今後は冬が近づき気象条件が厳しくなることから「自分の体力を見極め、装備と知識を備えた上で無理ない計画を」と登山者に呼び掛けた
鹿島槍への稜線
生死を分けたポイントを「登山届を出し、動かず体力を温存したのが幸いした」と振り返る
雲のドーム
青文字は、10月20日付奈良新聞より













