赤とんぼ風の形をつなぎけり

評:赤とんぼは、群れをなしかすかな風を上手く利用して飛び交う。このトンボの習性をよく捉えた句です。「風の形をつなぎけり」の表現力も光る

カズオ・イシグロ(石黒一雄)さんノーベル賞受賞おめでとうございます(^_-)-☆

『人生は短い。私にとって大切なものは愛や友情、尊厳です。「もののあわれ」は小説を書く上で常に私の心の中にある』

五竜の稜線が視野に収まる

新涼や熱き番茶の香り立つ

評:「新涼」が「熱き番茶の香」を引き立てており季語「新涼」との取合わせの良い句に仕上がっています

「記号のように読解しなくてはならない小説は書きたくない。自分が表したいのは感情や気持ちです」

北壁

空青く稲穂の波の心地よし

「村上さんの作品から私が学んだ主なことは、

どのように夢や幻想を現実の状況とブレンドし、混ぜ合わせるかということです」

山頂へのアクセスロード

書斎出ぬ吾に梨剥き妻の来る

受賞理由:「心を揺さぶる力を持った小説を通じ、私たちが世界とつながっているという偽りの感覚の下に深淵があることを明らかにした」

鹿島槍北峰2842m、南峰2889m

桔梗揺る風の優しさ受け止めて

子供の頃の記憶に残っている日本や、自分の想像の中で育んできた日本のイメージが、現実と出合って壊されてしまうのが恐ろしかった

チングルマ

今年又巣跡を残す帰燕かな

親から戦争の話を聞いていた私たちの世代は、危機感を持たない若い人たちに、その記憶を伝えていく責任がある

カンパヌラ・ガルガニカ

何度でも華やぎ見張るのうぜん花

純粋で無垢な記憶をたどることは、もっとよい世界を目指すという理想主義にもつながるはず

種を遺す準備完了

鬼胡桃握る力の弱くなり

世界はとても不安定な状況にある。すべてのノーベル賞が前向きな力になることを願っている。私もその一部に貢献できればうれしい

オトギリソウ

ときめきを忘れて果てたる酔芙蓉

文章は芸術的で、政治的メッセージを強く押し出さずに訴える、優れた文学だ・・・鴻巣友季子さん

五竜山荘

疲るるは老いの故かとこの秋暑

個が揺らぎ、自分が何者なのか、どこにいるのかが分からなくなっている

白岳から五竜岳

好天に恵まれ稲穂首(こうべ)たる

情報が自分の周りをどんどん通過していくが、何らかの記憶にしがみついても、それが確かなものか分からない

北方は唐松岳稜線が続く

秋味のビールの旨し風呂上り

そうした状況とどう向き合うのか、という無意識の問題に迫ろうとし続けている

五竜岳西奥に立山連峰

稲の花一望千里朝日差す

小説の技法も非常に優れている。物語に奥行きがあり、読み手の深層意識に染み込む問いが繰り返される。SFやポップカルチャーを取り込むなど独特の幻想世界も展開し、完成度の高さも評価されたのだろう・・・藤井光同志社大准教授(英文学)

浸食を繰り返すことで出来た岩脈

青文字は、奈良新聞「俳壇」より

赤文字は、読売新聞、日経新聞より抜粋