三方をものすごい岩壁に取り囲まれたこの平は、その名の通り以前は沼だったそうだが、今は砂地に化している

皆、下山したので山頂を一瞬独占です

明治33年(1900)の爆発でここにあった硫黄精錬所が害を被り、70余人の従業員が全滅したという

若者が登ってきたのでシャッターを押して頂いた

しかしそういう悲惨な歴史は知らずげに、この平は山中にこっそり秘められた仙境といった感じである

北側は荒涼とした岩場であった

私はその沼の平にはおりずに鞍部から馬の背を辿って、大きな岩の立っている矢筈ノ森(森などないのにどうしてそんな名があるのだろう)を越えると、稜線はゆったり広くなって、やがて乳首の下に出た

野ざらしで浸食した岩

鉄梯子のかかった岩場を登ると、安達太良山の頂上であった

紀元2600年記念碑

霧に包まれて眺望は得られなかったが、山頂を極めた喜びに変わりはなかった

剝き出しの岩

帰途は岩代熱海の方へ下った

手が悴んできた

沼ノ平南側の火口壁の上のふちを辿り、それからそのふちを離れて南へ樹林帯の中を通った

下山開始

広濶な原野まで来て振り向くと、安達太良山は依然として雲の中にあったが、いま私の通り抜けてきた南斜面の森林が霧氷をつけて、一面に拡がっている景色は、見ごたえのある美しさであった

眼下を見下ろす

伸び伸びと拡がったその原野を足任せに下っていくと、保成峠の道まで幾らもなかった

屹立した岩場

そこから岩代熱海温泉へ出て、二日間のささやかな山旅は終わった

鎖場

青文字は、深田久弥著「日本百名山」より

仲間は直下の広場で佇んでいる