ビジネススクールを私が好きにして良いと言われたら
ディー・エヌ・エー取締役会長・南場智子氏「特別講演」
<教科書通りの正解ではなく、実戦での起業ノウハウを磨く>
ビジネススクールでMBAを取得し、経営コンサルタントを11年務めた経験がありますが、実際に企業経営に携わってみると、学んだことや仕事の経験からでは、まったく予想できない事態に直面することが多々ある
・1999年に3人で立ち上げたDeNAは当初、本体は企画や外部との戦略的提携という機能に特化して、ソフト制作はすべてアウトソーシングして、内部に開発者はいないという体制で運営
・取引先にまかせっきりの状態で、ソフト開発がまったく進んでいないことに、土壇場まで気づかなかったケースがありました。遠隔地にある現場に自ら足を運ぶことをしなかったのが原因
・戦略や企画の不備ではなく、現場運営のミスによって会社がつまづくことが多い
・リスクマネジメントの重要性は、教科書的には間違いはない。特に大きな勝負に出る際に、失敗した場合の対処法を考えておくのは賢明だと思います。ただ、こうした保険を用意するのは、成功の確率を下げることにつながる場合も多い気がします。プロ野球球団の取得がそうでした
・コミュニケーションの重要性は当然で、まず相手の理念を理解して、それを前提に理論的に話し合うのがセオリーです。実際に理屈抜きの「助けてください」の一言の方が通じることがあるのです
・経営者として感じるのは、正しい選択肢を選ぶより、それが正しくなるよう努力するしかないということです
・戦略が無意味だというのではなく、プレッシャーや外的要因に迫られながら実践で考え、軌道修正していく発想が必要です
・教える側に求められる資質は、実際の起業経験です。成功から失敗までいろいろ経験した人材が望ましいでしょう。さらに、起業の段階で必要な人材に結び付けてあげられる人脈の持ち主であってほしい
・この仕組みは米国のシリコンバレーのシステムと極めて似ています。日本では起業マインドを持つ人材が少ない現実は変わっていません。例えば京都全体をシリコンバレーに出来るかというと、起業家同士が緊密に接する密度に達しておらず、難しいのが現実でしょう
・だからこそ、人工的に起業家を集めた「シリコンバレー」をつくってあげることは有効だと思います
・それが京大の経営管理大学院であり、そこで得たノウハウを世界に発信する役割を担ってほしいと期待しています
※私が経営管理大学院をつくるとしたら、入試では事業企画書と200万~500万円の資金を持ち込んでもらいます。合格基準は何かしらの外部資金を調達できそうな企画であることです。2年以内に資金が底をついたら中退するか、仲間のサポートに入ってもらいます。2年間でベンチャーキャピタルの投資を受けられるようになるのが目標です
(日経新聞広告記事より)