深田久弥著「日本百名山より③」

境内に立っている「女人不許入」という石標が示す通り、ここから女性の登山は禁じられている

錦繍の山腹

洞川から立派な参道がついている。稜線上の洞辻茶屋へ出ると、吉野の方からの縦走路と一致する

サザンカ

この吉野道は、六田ノ渡から吉野山を経て来るもので、大峰山脈の所謂七十五靡の北端から忠実に辿ってくるルートである

あべのハルカス、南港WTC、明石大橋が見渡せるスポット

洞辻茶屋から山上ケ岳までの主稜中に、岸壁の上を通る所があって、そこに有名な「西の覗」がある

落ち葉のプロムナード

先達が登山者に命じて岩の上から深い谷を覗かせる。もしそこで親孝行を誓わないと、下へ落ちるというのである

山頂稜線に建つテレビ塔

私たちはまだ人のいない龍泉寺の宿坊へ泊って、翌朝頂上に立った。古いが立派な堂があって、正面の扉には大きな南京錠がかかっていた

八大龍王境内を敷き詰める紅葉

この錠を開けられるのが扉開きの五月七日で、この日から開山になるのである

境内から大阪平野、六甲山系の眺望

山上ケ岳から南へ縦走路に入る。小篠(こささ)ノ宿、脇の宿など、昔の行場を経て行く

椛は青葉を残している

もうこの辺まで来ると信仰的記念物も無くなり、純然とした登山の領分になる。もちろん女性にも許されている

下の方は見頃でした

大普賢岳から行者還岳までの間は、縦走路の中で最も険峻とされている。夕方おそく弥山の山小屋へ着いた

信者の方々が落ち葉を焚く煙

翌朝、残雪を踏んで八経ケ岳の頂上に登った。1915米、近畿の最高地点である

空は良く晴れ、大峰山脈の諸峰をはっきりと望んだ

ここからさらに南へ縦走路は蜒々とつづくが、私はその最高峰を踏んだことに満足して山を下った

木肌と紅葉