GW前半の4月29日、室生寺を訪ねました
室生寺前バス停前(終点)で下車
奥深い山と渓谷に囲まれた室生の地は、太古の火山活動によって形成された室生火山帯の中心部で、こうした幽邃な場所は古くから神々の坐ます聖地と仰がれてきました


室生川のたたずまい
上流に見えるのは下ノ橋

奈良時代の末期、この聖なる地で皇太子部親王(後の桓武天皇)の病気平癒の祈願が興福寺の高僧賢璟など5人の高徳な僧によって行われ、これに卓効があったことから、勅命により国家のために創建されたのが室生寺です


室生川北岸に聳える室生山の南山麓から中腹にかけて、平安時代創建の金堂や五重塔、鎌倉時代の本堂などの堂塔が建つ
太鼓橋
だが建立の実務に当たったのは賢璟の高弟・修円であった
修円は当時、最澄や空海と並んで仏教界を指導する高名な学僧であった


五重塔は高さ16mと小さいが、石段の下から見上げると優美な姿をしている
シャクナゲが出迎えてくださいました
以来室生寺は山林修行の道場として、また法相、真言、天台など、各宗兼学の寺院として独特の仏教文化を形成しました
境内はシャクナゲの名所として名を馳せている
また平安前期を中心とした数多くの優れた仏教美術を継承しています


女人禁制であった高野山に対し、女性の参詣が許されていたため女人高野の別名で呼ばれることも
清冽な渓流は竜神信仰を生み、雨乞いの祈願もたびたび行われてきました


金堂の木造り釈迦如来立像など国宝に指定されている仏像が多い
厳しく女人禁制をしてきた高野山に対し、女人の済度をもはかる真言道場として女性の参詣も許したことから「女人高野」と親しまれています


室生寺の魅力は、独特の古い文化遺産もさることながら、大自然と調和して四季折々にうつろう伽藍のたたずまいにあります

室生川の清流奥深く、蓮の蕾にたとえられる円錐形の室生山の麓に開かれたこの寺は、文字通り山紫水明の地に長い歴史を伝えてきました
三宝杉

早春の梅のほころびに始まって、やがて山桜の老樹が深い緑の杉や檜を背景に匂い立つ

新緑が水の流れを優しく包むと河鹿がかすかに若葉を震わせ、山にはホトトギスの声が響いて境内のいたるところに深山を象徴するシャクナゲが咲き競います

夏の緑陰は涼風を呼んで、天然記念物の暖地性羊歯の生い茂る奥の院への石段には杉の大木が鬱蒼と立ち並び、昼なお暗い木陰を冷気がわたります
モミジの下に咲くピンクの石楠花