1300年前の約束
かって役行者には前鬼と後鬼という二鬼の従者がいた
役行者の肖像などで斧と水瓶を持った男女の鬼で二人は夫婦であった

 役行者は二人に大峰山中に住んで修行者の助けをするよう命じました
 それ以後、二人は五人の子供の子孫がここ前鬼の里に、それぞれ宿坊を開き、奥駈行を支え続けてきました
 五鬼の子孫とは、五鬼継(森本坊)、五鬼助(小仲坊)、五鬼上(中ノ坊)、五鬼童(不動坊)、五鬼熊(行者坊)の五家で、自給自足をしながら行場を守り続けてきました
 江戸時代から明治時代にかけて転出が相次ぎ、昭和30年代に森本坊が離れてからは、小仲坊の五鬼助氏一軒になってしまった
 現在は前鬼・五鬼から61代目にあたる五鬼助義之氏が常住ではないものの小仲坊を続けている
 常住者としての最後は、義之氏の叔父・義价氏で、昭和59年に亡くなるまで前鬼ただ一人の住人として、生涯独身で、ゴローちゃんの愛称で親しまれていました
 現在の住職である義之氏も昭和18年に前鬼の里で生まれたが、七重滝よりさらに1時間以上、前鬼から徒歩で3時間かかる山奥
 学校に通えるはずもなく、下北山村の親戚の家に預けられ、学校に行っていた
家に帰るのは夏休みと正月だけだったとか

  しかも昭和30年代に林道が通るまでは、前鬼口から谷筋の道を片道だけで丸一日かけて歩いたという
 そんな場所に5軒の集落が千年以上にわたって連綿と続いたことは、大峯修験道の奥の深さを如実に物語っているといえよう
 16:37分、小仲坊から黒谷峠の眺望
 小仲坊に供えられていた書籍を参考にしています